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マグニチュード9はどのくらい?震度換算は何・いくつ?8との違いは?過去にあったのか

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地震の規模を表す「マグニチュード」の中でも、マグニチュード9は観測史上最大級の巨大地震に分類される特別な規模です。この規模の地震が発生すると、広範囲にわたって甚大な被害をもたらし、国家レベルでの対応が必要となります。

しかし、マグニチュード9が具体的にどれほどのエネルギーを持ち、どのような被害をもたらすのか、実感を持って理解している方は少ないかもしれません。また、マグニチュード8との違いや、実際に過去どこで発生したのかについても、詳しく知らない方が多いでしょう。

本記事では、マグニチュード9という超巨大地震について、そのエネルギー規模から震度との関係、マグニチュード8との比較、さらには過去に実際に発生した事例の特徴まで、詳しく解説していきます。この最大級の地震を理解することは、今後起こりうる巨大地震への備えを考える上で極めて重要と言えるでしょう。

それでは、まずマグニチュード9がどれほどの規模なのかについて解説していきます。

目次

マグニチュード9の驚異的なエネルギー規模

マグニチュード9は、地球上で発生する地震の中でも最大級の規模を誇ります。その圧倒的なエネルギー量について見ていきましょう。

マグニチュード9が放出する膨大なエネルギー

マグニチュード9の地震が放出するエネルギーは、約2.0×10^18ジュール(2エクサジュール)に達します。

この数値は、人類の想像を超える規模です。大規模な爆発エネルギーの約32,000倍以上、TNT火薬に換算すると約4億7,000万トン分に相当します。また、日本全体の年間電力消費量の約55年分に相当する膨大なエネルギーです。

マグニチュード9クラスの地震は、観測史上数回しか記録されていない極めて稀な現象です。発生頻度は数十年から数百年に一度とされており、まさに「超巨大地震」と呼ぶにふさわしい規模なのです。

このクラスの地震になると、震源域の長さは500km以上、場合によっては1,000kmを超えることもあります。プレートの沈み込み帯で発生する海溝型地震として現れることがほとんどで、広大な海底が一気にずれ動くのです。

他の規模との比較で見る圧倒的な差

マグニチュード9のエネルギーを、他の規模と比較してみましょう。

マグニチュード エネルギー(ジュール) M6を基準とした倍率 発生頻度(世界)
6.0 約6.3×10^13 1倍 年間約120回
7.0 約2.0×10^15 約32倍 年間約15回
8.0 約6.3×10^16 約1,000倍 年間約1回
9.0 約2.0×10^18 約32,000倍 数十年に1回

このように、マグニチュード9はマグニチュード6の実に32,000倍ものエネルギーを持っています。マグニチュード7と比べても1,000倍、マグニチュード8と比べても32倍という圧倒的な差があるのです。

【エネルギーの比較イメージ】

M6:一般的な大地震のエネルギー

M7:M6の32倍(大地震)

M8:M6の1,000倍(巨大地震)

M9:M6の32,000倍(超巨大地震)

地殻変動と地球規模の影響

マグニチュード9クラスの地震では、地殻変動も極めて大規模になります。

断層のずれの量は数メートルから十数メートルに達し、広範囲で地盤の隆起や沈降が観測されます。海岸線が数メートル移動したり、島全体が沈んだり浮き上がったりすることもあるのです。

さらに、この規模の地震は地球全体に影響を及ぼします。地震波は地球を何周も回り、地球の反対側でも微小な揺れが観測されることがあります。また、地球の自転速度がわずかに変化したり、地軸が数センチメートル移動したりすることも確認されています。

マグニチュード9の地震によって、地球の1日の長さが数マイクロ秒(100万分の1秒)単位で変わることもあります。これは、地球規模での質量分布の変化によるものです。

また、海底で発生した場合には、大規模な津波が発生します。津波の高さは数十メートルに達することもあり、遠く離れた大陸にまで到達する可能性があります。

マグニチュード9と震度の関係を理解する

マグニチュード9という巨大地震が発生した場合、各地でどのような震度が観測されるのでしょうか。続いては震度との関係を確認していきます。

マグニチュードと震度の関係性の復習

改めて確認すると、マグニチュードは地震そのもののエネルギー規模を表し、震度はある地点での揺れの強さを表します。

マグニチュード9という巨大なエネルギーを持つ地震でも、震源からの距離や地盤の状態によって、各地点で観測される震度は大きく異なります。ただし、エネルギーが極めて大きいため、広範囲で強い揺れが観測されるのが特徴です。

要素 マグニチュード9の特徴
震源域の大きさ 長さ500km以上、幅200km程度
震源の深さ 通常10〜50km程度
揺れの継続時間 数分間(通常の地震の数倍〜数十倍)
影響範囲 半径1,000km以上

マグニチュード9の地震では、震源域そのものが非常に広大であるため、複数の都道府県や国にまたがって強い揺れが同時に発生することが特徴です。

マグニチュード9で予想される震度分布

マグニチュード9の地震が発生した場合の震度分布を見てみましょう。

海溝型の巨大地震として発生することが一般的なため、震源域の直上やその周辺では震度6強から7の激しい揺れが広範囲で観測されます。震源域が数百kmに及ぶため、複数の地域で同時に最大級の揺れが発生するのです。

【震度分布の目安】

震源域直上〜沿岸部:震度6強〜7

震源から100〜200km:震度5強〜6弱

震源から300〜500km:震度4〜5弱

震源から500〜1,000km:震度3〜4

また、揺れの継続時間も非常に長いのが特徴です。通常の地震では数十秒程度の揺れが、マグニチュード9クラスでは数分間にわたって続くこともあります。この長時間の揺れが、建物への被害を増大させる要因となるのです。

さらに、遠く離れた地域でも長周期地震動が発生し、高層ビルや大規模構造物が長時間揺れ続けることがあります。震源から1,000km以上離れた場所でも、震度2〜3の揺れが観測されることは珍しくありません。

震度と被害の関係

マグニチュード9の地震における震度と被害の関係を見てみましょう。

震度7が観測される地域では、多くの建物が倒壊し、壊滅的な被害が発生します。震度6強の地域でも、旧耐震基準の建物を中心に深刻な被害が出るでしょう。

震度 建物への影響 その他の影響
7 多くの建物が倒壊、耐震性の高い建物も大きく損傷 地盤の亀裂、大規模な液状化
6強 旧耐震基準の建物の多くが倒壊、新耐震でも損傷 広範囲で停電、断水、ガス供給停止
6弱 一部の建物が倒壊、多くの建物で壁にひび 交通機関の停止、物流の混乱
5強 老朽建物で被害、家具の転倒多数 通信障害、エレベーター停止

マグニチュード9クラスの地震では、震度6強以上の地域が複数の県や地域にまたがることがあります。このため、同時多発的に救助が必要な場所が発生し、災害対応が極めて困難になるのです。

マグニチュード9と8の違いを徹底解説

マグニチュード9と8は、数値上ではわずか1の差ですが、その影響は計り知れないほど大きなものがあります。

エネルギーの差は約32倍

マグニチュードが1上がるとエネルギーは約32倍になるという法則は、M8とM9の間にも当てはまります。

つまり、マグニチュード9の地震は、マグニチュード8の地震の約32倍のエネルギーを持っているということです。マグニチュード8でも「巨大地震」ですが、その32倍となると、もはや想像を絶する規模と言えるでしょう。

【M8とM9のエネルギー比較】

M8のエネルギー:約6.3×10^16ジュール

M9のエネルギー:約2.0×10^18ジュール

比率:2.0×10^18 ÷ 6.3×10^16 ≒ 31.7倍

この32倍という差は、TNT火薬に換算すると、M8が約1,500万トンに対し、M9は約4億7,000万トンとなります。その差は約4億5,000万トンにも達するのです。

マグニチュード エネルギー 相対比率 発生頻度
8.0 約6.3×10^16ジュール 1 年間約1回
8.5 約3.5×10^17ジュール 約5.6 数年に1回
9.0 約2.0×10^18ジュール 約32 数十年に1回

被害規模と影響範囲の圧倒的な違い

エネルギーが32倍になると、被害の規模も桁違いに大きくなります。

マグニチュード8の地震でも広域災害となりますが、マグニチュード9になると国家レベル、場合によっては複数国にまたがる超広域災害となる可能性が高いのです。

建物被害を見ると、M8では震源近くの地域を中心に被害が発生しますが、M9では数百km離れた地域でも深刻な被害が発生することがあります。震度6強以上の揺れを感じる範囲が、面積にして数倍から十数倍に広がるのです。

【被害範囲の比較】

M8:震度6強以上の範囲が数万平方km

M9:震度6強以上の範囲が数十万平方km

被害を受ける人口:M9はM8の数倍〜数十倍

また、津波の規模も大きく異なります。M8の地震でも大津波が発生しますが、M9クラスになると津波の高さが10メートル以上、場合によっては30メートルを超えることもあり、津波の到達範囲も太平洋全域など極めて広範囲に及びます。

社会的・経済的影響の違い

マグニチュード8と9では、社会的・経済的な影響も大きく異なります。

M8クラスの地震でも国家レベルの災害対応が必要ですが、M9クラスになると国際的な支援が不可欠となることが多いでしょう。被災者の数が数百万人規模に達することもあり、避難所の確保や物資の供給が極めて困難になります。

項目 M8クラス M9クラス
被災範囲 複数の県レベル 国全体または複数国
被災者数 数十万〜数百万人 数百万〜数千万人
経済的損失 数兆円規模 数十兆円規模
復旧期間 数年〜10年程度 10年以上

経済的な損失も桁違いです。M8クラスの地震では数兆円規模の被害が出ますが、M9クラスでは数十兆円に達することもあります。国家経済に長期的な影響を及ぼし、復興には10年以上の歳月を要することも珍しくありません。

また、心理的な影響も大きく異なります。M9という観測史上最大級の地震を経験することは、社会全体に深いトラウマを残し、防災意識や価値観の変化をもたらすこともあるのです。

過去に発生したマグニチュード9クラスの地震

観測史上、マグニチュード9以上の地震は数回しか記録されていません。その貴重な記録から学べることは多いでしょう。

観測史上記録されたマグニチュード9以上の地震

20世紀以降に観測されたマグニチュード9以上の地震は、非常に限られています。

観測史上最大の地震は、1960年に発生したM9.5の超巨大地震です。この地震は南米で発生し、震源域の長さは約1,000kmに及び、津波は太平洋全域に広がりました

1964年にはM9.2の巨大地震が北米で発生し、広範囲に被害をもたらしました。また、2004年にはM9.1の超巨大地震がアジアの海域で発生し、インド洋全域に大津波が押し寄せる未曾有の災害となっています。

発生年 地域 マグニチュード 特徴
1960年 南米 9.5 観測史上最大、震源域約1,000km
1964年 北米 9.2 大規模な地殻変動
2004年 アジア海域 9.1 インド洋津波、22万人以上が犠牲
2011年 日本近海 9.0 日本観測史上最大

そして2011年には、日本近海でM9.0の超巨大地震が発生しました。この地震は日本の観測史上最大規模となり、大津波により約2万人もの犠牲者を出す未曾有の大災害となったのです。

マグニチュード9クラスの地震の共通特徴

これらの観測記録から、M9クラスの地震にはいくつかの共通した特徴が見られます。

まず、すべてがプレートの沈み込み帯で発生しているという点です。大陸プレートと海洋プレートの境界で、長年蓄積されたひずみが一気に解放されることで、このような超巨大地震が発生します。

【M9クラス地震の共通点】

・プレート沈み込み帯で発生

・震源域が数百km以上

・海底地震のため津波を伴う

・揺れの継続時間が数分間

・広域にわたる地殻変動

次に、すべてが海溝型地震であり、海底で発生しているため、必ず大規模な津波を伴っています。津波の高さは場所によっては30メートルを超えることもあり、津波による被害が地震の揺れによる被害を上回ることも多いのです。

また、震源域が非常に広大であることも共通しています。通常の地震では震源域が数十km程度ですが、M9クラスでは数百kmから1,000km以上に及ぶこともあります。

マグニチュード9の地震から学ぶべき教訓

これらの超巨大地震から、私たちは多くの重要な教訓を得ることができます。

第一に、津波への備えの絶対的な重要性です。M9クラスの地震では、地震の揺れよりも津波による被害が圧倒的に大きくなることがほとんどです。沿岸部では、強い揺れを感じたら直ちに高台へ避難する必要があります。

津波は地震発生から数分で到達することもあります。避難の判断を少しでも遅らせると、命に関わる事態になりかねません。「揺れたらすぐに高台へ」という原則を徹底することが、何よりも重要なのです。

第二に、広域災害への備えです。M9クラスの地震では、複数の地域が同時に被災するため、外部からの支援が届きにくくなります。最低でも1週間分、できれば2週間分の食料や水、医薬品などを備蓄しておく必要があるでしょう。

第三に、建物の耐震性の重要性です。M9クラスの巨大地震でも倒壊しない建物の設計や、既存建物の耐震補強が、人命を守る上で極めて重要です。

最後に、国際的な協力体制の必要性です。M9クラスの災害は一国だけでは対応しきれないことが多く、国際的な支援や協力が不可欠となります。

まとめ

マグニチュード9は、観測史上最大級の超巨大地震であり、約2.0×10^18ジュールという想像を絶するエネルギーを放出します。この規模は、マグニチュード6の約32,000倍、マグニチュード8の約32倍に相当し、世界全体でも数十年に一度しか発生しない極めて稀な現象です。マグニチュードは地震そのもののエネルギーを示し、震度とは異なりますが、M9クラスの地震では広範囲で震度6強から7の激しい揺れが数分間継続し、複数の地域や国にまたがる超広域災害となります。

マグニチュード8と9の差はわずか1ですが、エネルギーは32倍も異なり、被害規模、影響範囲、経済的損失のすべてが桁違いに大きくなります。観測史上、M9以上の地震は数回しか記録されておらず、すべてがプレート沈み込み帯で発生した海溝型地震であり、大規模な津波を伴っています。

このような超巨大地震に対しては、津波からの迅速な避難、広域災害を想定した長期的な備蓄、建物の耐震化など、包括的な防災対策が不可欠です。マグニチュード9という最大級の地震を正しく理解し、いざという時に適切な行動がとれるよう、日頃から備えを怠らないことが、私たち一人ひとりに求められているのです。

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