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【Excel】エクセルでセルの結合ができない・出てこない(グレーアウト・テーブル・共有・中央揃え保護など)原因と対処法

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Excelで表を作成する際、複数のセルを一つにまとめて見栄えを整えるセル結合は、非常によく使われる機能です。

表のタイトルを中央に配置したい、項目名を複数列にまたがって表示したい、データをグループ化して見やすくしたいなど、セル結合を使えば表の体裁を整えて、資料の完成度を高めることができます

しかし実際に作業を進めていると、セル結合のボタンがグレーアウトしてクリックできない、結合を実行しようとするとエラーメッセージが表示される、といった問題に直面することがあります。いつもなら簡単にできる操作なのに、なぜか今回だけできない、という経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

セル結合ができない状況には、必ず原因があります。ブックの共有設定やテーブル書式設定、シートの保護など、Excelの特定の機能や設定が有効になっていると、セル結合が制限されてしまうのです。

本記事では、セル結合ができなくなる主な原因を4つのパターンに分けて解説し、それぞれに対する具体的な対処法を紹介します。

原因を正しく理解して適切な対処を行えば、セル結合の問題はすぐに解決できます。表作成をスムーズに進めたい方は、ぜひ最後までお読みください。

ポイントは

・ブック共有設定ではセル結合機能が使えない

・テーブル書式が設定されている範囲では結合できない

・シート保護がかかっていると結合操作が制限される

・複数セルにデータがある場合はアラートが表示される

です。

それでは詳しく見ていきましょう。

 

目次

ブックの共有設定が原因でセル結合できない場合

それではまず、セル結合ができない原因として最も見落とされがちなブックの共有設定について確認していきます。

 

ブック共有とセル結合の制限

Excelには複数のユーザーが同時に一つのブックを編集できる「ブックの共有」という機能があります。この機能は特にExcel 2016以前のバージョンで広く使われていましたが、ブック共有が有効になっているとセル結合を含む多くの編集機能が制限されます

ブックが共有されているかどうかを確認するには、Excelのウィンドウ上部にあるタイトルバーを見てください。ファイル名の後ろに「共有」という表示がある場合、そのブックは共有設定になっています。

この状態では、セル結合のボタンをクリックしようとしても反応しないか、グレーアウトして選択できない状態になります。「セルの書式設定」ダイアログボックスからも、結合のチェックボックスが使用できません。

ブック共有中に制限される機能は、セル結合だけではありません。条件付き書式の設定、データの入力規則の変更、グラフの挿入や編集、ハイパーリンクの追加なども制限されます。このように多くの機能が使えなくなるため、不要なブック共有設定は早めに解除しておくことが推奨されます。

確認項目 確認方法 共有中の状態
タイトルバー Excelウィンドウ上部を確認 ファイル名の後ろに[共有]と表示
セル結合ボタン ホームタブの配置グループを確認 グレーアウトしてクリック不可
セルの書式設定 右クリック→セルの書式設定 結合チェックボックスが使用不可
校閲タブ リボンの校閲タブを開く 「ブックの共有の解除」が表示

 

ブック共有を解除する手順

ブックの共有を解除するには、「校閲」タブから「ブックの共有の解除」をクリックします。この操作により、共有設定が解除され、セル結合を含むすべての編集機能が使えるようになります。

具体的な手順は次の通りです。まずリボンの「校閲」タブをクリックして開きます。変更グループの中に「ブックの共有の解除」というボタンがあるので、これをクリックします。確認のメッセージが表示された場合は、内容を確認して「はい」をクリックします。

これでブック共有が解除され、タイトルバーから「共有」の表示が消えます。この状態でセル結合のボタンを確認すると、正常にクリックできる状態に戻っているはずです。

ただし、他のユーザーと共同で編集する必要がある場合は、ブック共有を解除することができません。Excel 2016以降では、ブック共有の代わりに「共同編集」機能を使うことが推奨されています。共同編集機能では、OneDriveやSharePointにファイルを保存することで、セル結合を含むほとんどの機能を制限なく使いながら複数人で編集できます。

ブック共有の解除手順

「校閲」タブ→「ブックの共有の解除」をクリック→確認メッセージで「はい」を選択

これでセル結合が使えるようになります。

 

テーブル書式設定が原因でセル結合できない場合

続いては、テーブルとして書式設定されている範囲でセル結合ができない場合の対処法を確認していきます。

 

テーブル書式とセル結合の関係

Excelのテーブル機能は、データの並べ替えやフィルター、集計行の追加などを簡単に行える便利な機能です。表を選択して「挿入」タブから「テーブル」を選ぶと、データ範囲が自動的にテーブルとして認識され、見出し行にフィルターボタンが表示されます。

しかし、テーブルとして書式設定されている範囲では、セル結合を行うことができません。これはテーブル機能の仕様によるもので、テーブルのデータ構造を保つために結合が制限されています。

テーブルが設定されているかどうかを確認するには、対象のセル範囲内のどこかをクリックしてみてください。テーブルが設定されている場合、リボンに「テーブルツール」や「テーブルデザイン」といったタブが自動的に表示されます。また、見出し行の各セルに下向き三角のフィルターボタンが表示されているのも、テーブル設定の特徴です。

テーブル内でセル結合を実行しようとすると、セル結合のボタン自体はクリックできるものの、実際には結合が行われません。エラーメッセージも表示されないため、なぜ結合できないのか原因がわかりにくい場合があります。

テーブルの特徴 確認方法 結合への影響
フィルターボタン 見出し行に▼ボタンが表示 テーブル内では結合不可
デザインタブ セル選択時に表示される 範囲に変換で解決
縞模様のスタイル 1行おきに色が付いている スタイルは解除後も残る
集計行 表の最終行に自動集計 解除前に非表示推奨

 

テーブルを範囲に変換する方法

テーブル設定を解除してセル結合を可能にするには、「範囲に変換」の操作を実行します。この操作により、テーブルが通常の表形式に戻り、セル結合ができるようになります。

具体的な手順は次の通りです。まずテーブル内のどこかのセルをクリックして、テーブルを選択状態にします。次にリボンに表示される「テーブルデザイン」タブをクリックし、ツールグループの中にある「範囲に変換」ボタンをクリックします。

確認のダイアログボックスが表示され、「テーブルを標準の範囲に変換しますか?」というメッセージが出ます。ここで「はい」をクリックすると、テーブル設定が解除されます。

テーブルを解除すると、フィルターボタンは非表示になり、「テーブルデザイン」タブも表示されなくなります。ただし、テーブルに適用されていた縞模様のスタイルや色は、そのまま残ります。これらの書式も削除したい場合は、テーブル解除前に「テーブルスタイル」で「なし」を選択しておくと良いでしょう。

テーブル解除後もスタイルや色は残るため、見た目がほとんど変わらない場合があります。

しかしフィルターボタンが消え、テーブルデザインタブが表示されなくなれば、正常に解除されています。

この状態でセル結合を実行すると、問題なく結合できるようになります。

ただしテーブルの便利な機能も使えなくなるため、データ分析が必要な表では解除前に検討が必要です。

 

シート保護が原因でセル結合できない場合

続いてはシートの保護設定によってセル結合ができない場合の対処法を確認していきます。

 

シート保護とは何か

シート保護は、Excelのワークシート内の特定のセルや範囲を編集できないようにロックする機能です。シートが保護されている状態では、セル結合を含むほとんどの編集操作が制限されます

この機能は、重要なデータや数式を誤って変更されないように保護したい場合や、他のユーザーに特定の範囲だけ入力を許可したい場合に使用されます。請求書や見積書のテンプレート、データベースの参照元シートなど、変更されては困る部分がある場合に設定されることが多い機能です。

シートが保護されているかどうかを確認するには、「校閲」タブを開いてください。「変更」グループに「シート保護の解除」というボタンが表示されている場合、そのシートは保護されています。逆に「シートの保護」というボタンが表示されている場合は、保護されていない状態です。

保護されているシートでセル結合を実行しようとすると、セル結合のボタン自体がグレーアウトしてクリックできなくなります。セルの書式設定ダイアログボックスを開いても、配置タブの結合チェックボックスが無効になっています。

保護状態 校閲タブの表示 セル結合の状態
保護されている 「シート保護の解除」が表示 グレーアウトして使用不可
保護されていない 「シートの保護」が表示 通常通り使用可能
パスワード保護あり 解除時にパスワード要求 解除後に使用可能
一部セルのみ許可 ロック解除範囲のみ編集可 許可範囲内でのみ可能

 

シート保護を解除する手順

シートの保護を解除するには、「校閲」タブから「シート保護の解除」をクリックします。パスワードが設定されている場合は、正しいパスワードを入力する必要があります。

具体的な手順は次の通りです。リボンの「校閲」タブをクリックして開き、変更グループにある「シート保護の解除」ボタンをクリックします。パスワードが設定されていない場合は、これだけで保護が解除され、すぐにセル結合ができるようになります。

パスワードが設定されている場合は、「シート保護の解除」ダイアログボックスが表示されます。ここに正しいパスワードを入力して「OK」をクリックすると、保護が解除されます。パスワードがわからない場合は、ファイルの作成者や管理者に確認する必要があります。

保護が解除されると、「校閲」タブの表示が「シートの保護」に変わります。この状態でセル結合のボタンを確認すると、通常通りクリックできる状態に戻っているはずです。

シート保護解除の手順

「校閲」タブ→「シート保護の解除」をクリック→パスワードが設定されている場合は入力→「OK」

保護が解除され、セル結合が使えるようになります。

 

その他の原因でセル結合できない場合

最後に、上記以外の原因でセル結合ができない場合の対処法を確認していきます。

 

複数セルにデータがある場合のアラート

結合したい複数のセルにそれぞれデータが入力されている場合、「選択範囲には複数のデータ値が含まれています」というアラートメッセージが表示されます

このアラートは、セル結合を実行すると左上のセルの値だけが残り、他のセルのデータは破棄されることを警告するものです。例えば、A1セルに「営業部」、B1セルに「第二課」と入力されている状態でこの2つのセルを結合しようとすると、アラートが表示され、結合後は「営業部」だけが残ります。

このアラートに対する対処法は2つあります。1つ目は、データが消えても問題ない場合、アラートの「OK」ボタンをクリックしてそのまま結合を実行する方法です。左上以外のデータは破棄されますが、結合自体は完了します。

2つ目は、消えては困るデータがある場合、事前にデータを整理しておく方法です。結合後に残したいデータをすべて1つのセルにまとめて入力し、他のセルは空にしておきます。「営業部 第二課」のように、必要な情報を1つのセルに入力してから結合すれば、データを失うことなく結合できます。

結合前の状態 アラート 結合後 対処法
A1:営業部 B1:第二課 表示される 営業部(第二課は消える) 事前に1セルにまとめる
A1:東京都 B1:空白 表示されない 東京都 そのまま結合可能
A1:100 B1:200 C1:300 表示される 100(他は消える) 数式で結合してから値化
A1:商品A B1:空白 C1:空白 表示されない 商品A そのまま結合可能

 

選択範囲の問題やその他の原因

セル結合ができないその他の原因として、セル範囲の選択に関する問題があります。

複数の離れた範囲を同時に選択している場合、セル結合は実行できません。Ctrlキーを押しながら複数の範囲を選択した状態では、結合ボタンがグレーアウトします。結合したいセルは連続した範囲として選択する必要があります。

また、Excel全体でセル結合の機能に問題が発生している可能性もあります。この場合、Excelを一度閉じて再起動することで解決する場合があります。それでも解決しない場合は、Windowsの更新プログラムやOfficeの更新を確認し、最新の状態にすることをおすすめします。

稀なケースですが、ブックが読み取り専用で開かれている場合も、セル結合を含むすべての編集機能が使えません。タイトルバーに「読み取り専用」と表示されていないか確認し、もし表示されている場合は編集可能な形式でブックを開き直す必要があります。

セル結合ができない場合は、まず本記事で紹介した4つの主要な原因を確認してください。

ブック共有、テーブル設定、シート保護、複数データのアラートのいずれかに該当するケースがほとんどです。

これらを確認しても解決しない場合は、Excelの再起動や更新プログラムの適用を試してみましょう。

セル結合は便利な機能ですが、データの並べ替えやフィルター機能が制限されるデメリットもあります。

用途に応じて、本当に結合が必要かどうかも検討することをおすすめします。

 

まとめ エクセルでセルの結合ができない(グレーアウト・テーブル・共有・保護など)原因と対処法

エクセルでセルの結合ができない原因と対処法をまとめると

・ブック共有が原因の場合:「校閲」タブから「ブックの共有の解除」をクリックして共有設定を解除、複数人での編集が必要な場合はOneDriveの共同編集機能を利用

・テーブル設定が原因の場合:テーブル内のセルを選択して「テーブルデザイン」タブから「範囲に変換」をクリック、フィルターボタンが消えて結合可能になる

・シート保護が原因の場合:「校閲」タブから「シート保護の解除」をクリック、パスワードが設定されている場合は入力して解除

・複数データがある場合:アラートが表示されたら「OK」で結合するか、事前にデータを1つのセルにまとめてから結合

これらの原因と対処法を理解しておけば、セル結合ができないトラブルはすぐに解決できます。

セル結合のボタンがグレーアウトしている場合は、まず校閲タブで共有やシート保護の状態を確認することが最優先です。

次にテーブル設定の有無をチェックし、必要に応じて範囲に変換します。

原因を特定して正しい対処を行えば、数クリックでセル結合の問題は解決します

ただし、セル結合はデータの並べ替えやフィルター操作を制限するというデメリットもあります。

見た目を整える目的だけであれば、セル結合の代わりに「選択範囲内で中央」の配置を使用したり、複数セルにまたがる表示をする代替方法も検討してみてください。

状況に応じた最適な方法を選択して、効率的な表作成を実現していきましょう!

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