PowerPointで「フォントが変更できない」と感じたときは、まずどの方法で変更を試みているのかを確認することが大切です。
実際のフォント変更には、主に以下の3つの方法があります。
・ スライド上で直接フォントを変える(1スライド単位)
・ [スライドマスター]を使って全体の既定フォントを変える
・ [フォントの置換]機能で一括変更する
フォントが変更できない原因は、これらの方法ごとに異なるため、本記事ではそれぞれのケースに分けて、よくある原因とその対処法を解説していきます。
目次
パワポでフォント変更ができない原因と直し方1【直接フォントを変更する】
スライド上で直接フォントを変更しようとしてもうまくいかない場合、よくある原因は「変更したいテキストを正しく選択できていないこと」です。
下の画像は、テキストボックス内の文字をきちんと選択できていないため、游ゴシックからメイリオに変更できていない例です。
フォントを変更するには、まず変更したい文字をドラッグして選択します。
すべての文字が選択された状態で、「ホーム」タブ > [フォント] グループ > フォントメニューから希望のフォント(例:メイリオ)を選択します。
この操作で、游ゴシックからメイリオへの変更が反映されました。
パワポでフォント変更ができない原因と直し方2【全体の既定フォントを変更する】
[スライドマスター]を使って全体の既定フォントを変更しても、一部のテキストに反映されないことがあります。
よくある原因は、スライド内の文字を手動で別のフォントに変更しているケースです。
なお、新しく作成したスライドでは、既定フォントとして『游ゴシック』が設定されていることが一般的です。
以下の画像は、上段がデフォルトの游ゴシック、下段が手動で設定したHGS創英角ポップ体です。この状態でスライドマスターのフォントをメイリオに変更してみましょう。
[表示]タブの[マスター表示]グループで、[スライドマスター]を開きます。
[スライドマスター]タブが開いたら、[背景]グループの[フォント]をクリックします。
フォント一覧が表示されるので、任意のフォントを選択します。
今回は、メイリオを選択します。
選択が完了したら、[マスター表示を閉じる]をクリックし、元の画面に戻ります。
デフォルトの游ゴシックはメイリオに変更できました。
※新しくテキストを入力する場合も、メイリオが既定フォントになります。
しかし、前述したとおり、手動で設定していたフォント(下段のHGS創英角ポップ体)は、スライドマスターのフォント設定が反映されていません。
手動で設定したフォントをあらためて変更したい場合は、個別に手動で設定する必要があります。原因と直し方1もしくは、3を参照して、個別にフォントを変更してください。
パワポでフォント変更ができない原因と直し方3 【フォントの置換機能を利用する】
PowerPointの「フォントの置換」機能は、プレゼンテーション全体で使用されているフォントを一括で差し替える便利なツールです。
この機能でフォントを一括変更できないときは、いくつかの原因が考えられます。以下の画像とともに、よくあるケースと対処法を順に見ていきましょう。
まず、フォントの置換機能を使うには、[ホーム]タブの[編集]グループにある[フォントの置換]をクリックします。すると、「フォントの置換」ダイアログボックスが開きます。
ダイアログボックスの[置換前のフォント]リストには、スライド内で実際に使われているフォントの一覧が表示されます。
新しく作成したスライドでは、「游ゴシック」「游ゴシック Light」「Arial」などが、テンプレートやマスター内で初期設定として使われていることが多く、一見「Arialなんて使っていないのに?」と思っても、フォントの置換リストに表示されることがあります。
次に、ArialをHGP創英角ポップ体に置き換えてみます。置換をクリックしても、フォントに変化がありません。
これは、スライド上のテキストに実際にArialが使われていないためです。
今度は游ゴシックを、同じくHGP創英角ポップ体に置き換えてみましょう。
この場合は置換後、文字の見た目がしっかり変わりました。
游ゴシックは日本語用フォントとして使われていたため、置換操作が反映されます。
まとめ PowerPointでフォントの置換が反映されない原因と解決法
このように、フォントの置換が反映されない原因には主に以下の2つがあります。
・ スライドにそのフォントに対応する文字(英数字や日本語など)が存在しない
・ テンプレートやスライドマスターの見えない設定でフォントが使われている
見た目に変化がなくても、操作が失敗しているとは限りません。
「置換できない」と感じたときは、文字種(英数字・日本語)やスライドの構造を確認してみてください。