ニュースで「原油価格が1バレル〇〇ドル」という表現を耳にしたとき、「バレルとは一体どのくらいの量なのか」と疑問に思ったことはないでしょうか。バレルは石油取引で使われる独特の単位で、リットルやキログラムといった私たちが日常的に使う単位とは異なります。
この記事では、1バレルが何リットルに相当するのかをはじめ、何キログラムで何トンで何ガロンなのか、さらに現在の原油価格が日本円やドルでいくらなのかまで、わかりやすく解説していきます。
石油に関する単位や価格の仕組みを理解することは、エネルギー問題や国際経済を読み解くうえでも非常に役立つ知識です。ぜひ最後までお読みください。
目次
1バレルは約159リットル、原油換算でおよそ136キロ・0.136トン
それではまず、バレルという単位の基本的な意味と、リットルやキログラム、トンへの換算について解説していきます。
バレルは、主に原油や石油製品の取引に使われる体積の単位です。もともとはアメリカで木製の樽(たる)を基準に定められた単位であり、現在も国際的な石油取引の標準単位として広く使用されています。
1バレルは正確には158.987リットルですが、実務では159リットルと近似することがほとんどです。

重さに換算すると、原油の密度はその種類によって多少異なりますが、一般的な原油(API重力30〜35度程度)では1リットルあたり約0.85〜0.87キログラムほど。
つまり、1バレルの原油はおよそ136キログラム、0.136トンに相当します。ただしこれはあくまでも目安であり、原油の産地や品質(軽質・重質)によって密度が変わるため、実際の重量は前後することがあります。
バレルの語源と歴史
バレルの語源は英語の「barrel(樽)」にあります。19世紀のアメリカでペンシルベニア州に油田が発見された際、原油を運ぶためにウイスキーやニシンを入れていた木製の樽が転用されました。
当時の標準的な樽が42ガロン(約159リットル)だったことから、1バレル=42アメリカガロンという基準が定着し、現在の国際的な石油単位として引き継がれています。
歴史的な背景を知ることで、なぜ「159リットル」というきりのよくない数字が基準になっているのかがよく理解できるでしょう。
主要な換算まとめ
1バレルに関する主な換算をまとめると、以下のようになります。
| 単位 | 換算値 | 備考 |
|---|---|---|
| リットル(L) | 約158.987L | 通常159Lとして扱う |
| ガロン(US) | 42ガロン | アメリカガロン基準 |
| キログラム(kg) | 約136kg | 平均的な原油密度による |
| トン(t) | 約0.136t | 同上 |
| キロリットル(kL) | 約0.159kL | 1kL=1,000L |
このように、バレルはリットルやガロン、キログラム、トンとそれぞれ換算することができます。
1ガロンは何リットルか
バレルを理解するうえで切り離せないのが「ガロン(gallon)」という単位です。アメリカで使われる1アメリカガロン(US gallon)は約3.785リットルに相当します。
42ガロン × 3.785L ≒ 158.97L(≒ 159L)
なお、イギリスで使われるインペリアルガロン(Imperial gallon)は約4.546リットルと異なるため、混同しないよう注意が必要です。石油取引では基本的にアメリカガロンが使用されます。
続いては、原油価格が日本円とドルでいくらなのかを確認していきます
続いては、実際に原油が市場でどのくらいの価格で取引されているのか、日本円およびドルベースで確認していきます。
原油の国際価格は日々変動するため、ここでは2024〜2025年の代表的な価格水準を参考として解説します。実際の最新価格は、ロイターやブルームバーグ、またはCMEグループのサイトなどで確認するのがよいでしょう。
ドル建て原油価格の目安
原油の国際価格は主にWTI(ウェスト・テキサス・インターミディエート)とブレント原油の2種類が代表的な指標として使われています。
| 指標 | 産地・特徴 | 2024〜2025年頃の価格水準 |
|---|---|---|
| WTI原油 | アメリカ産・軽質・低硫黄 | 1バレルあたり70〜85ドル前後 |
| ブレント原油 | 北海産・国際取引の基準 | 1バレルあたり75〜90ドル前後 |
| ドバイ原油 | 中東産・アジア向け基準 | 1バレルあたり75〜88ドル前後 |
WTIはアメリカのニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で取引され、ブレント原油はロンドンの国際石油取引所(ICE)で取引されています。日本が輸入する原油の価格指標としては、ドバイ原油が最も関連性が高いとされています。
日本円に換算するといくらか
ドル建ての原油価格を日本円に換算するには、為替レートが大きく関わってきます。
80ドル × 150円 = 12,000円(1バレルあたり)
円安が進むほど、輸入原油の円建てコストは上昇します。2022〜2023年にかけて円安が急速に進行した際には、原油価格自体が落ち着いていたにもかかわらず、円建てのエネルギーコストが大幅に上昇するという現象が見られました。
1リットルあたりに換算すると、12,000円 ÷ 159リットル ≒ 約75円となり、これに精製コストや輸送費、税金などが加算されてガソリン価格が形成される仕組みです。
原油価格に影響を与える主な要因
原油価格は多くの要因によって変動します。主なものを挙げると次の通りです。
OPECプラスの生産調整は最も強い価格変動要因のひとつです。石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどを含む産油国グループが協調して増産・減産を行うことで、世界の原油供給量をコントロールしています。
また、中国やアメリカの景気動向、地政学的リスク(中東紛争など)、ドルの強弱、シェールオイルの生産量なども価格に大きな影響を与える要素です。
続いては、原油に関連するさまざまな単位と換算の応用について確認していきます
続いては、バレル以外にも石油業界で使われる単位と、より実用的な換算の知識について確認していきます。
石油の世界では、バレルのほかにもさまざまな単位が登場します。ニュースや経済レポートを正確に読み解くためにも、それぞれの意味を押さえておくことが重要です。
kl(キロリットル)とバレルの関係
日本では石油の取引量をキロリットル(kL)で表すことが多くあります。1キロリットルは1,000リットルに相当するため、バレルとの換算は以下のようになります。
1kL ≒ 6.29バレル
例えば「日量100万バレルの原油生産」と表現された場合、これはキロリットルに換算すると1日あたり約15万9,000kLに相当します。エネルギー統計や政府資料では、このkL表記が多用されるため覚えておくと便利でしょう。
TOE(石油換算トン)とは
エネルギーの比較・統計によく使われる単位として、TOE(Tonne of Oil Equivalent、石油換算トン)があります。これは異なるエネルギー源(石炭・天然ガス・電力など)のエネルギー量を、原油換算のトン数で統一的に表すための指標です。
IEA(国際エネルギー機関)やOECDの統計レポートで頻繁に登場するため、エネルギー政策や環境問題に関する文書を読む際には非常に役立つ知識です。
天然ガスや石炭との単位比較
原油と並ぶ主要エネルギーである天然ガスや石炭は、それぞれ異なる単位で取引されています。
| エネルギー種別 | 主な取引単位 | 1TOEとの換算目安 |
|---|---|---|
| 原油 | バレル(bbl) | 約7.33バレル |
| 天然ガス | MMBtu(英熱量単位) | 約39.7MMBtu |
| 石炭(一般炭) | メトリックトン(MT) | 約1.5トン |
| LNG(液化天然ガス) | トン(MT) | 約1.11トン |
このように、エネルギー種別によって単位が大きく異なるため、TOEという共通指標で比較することでエネルギーミックスの全体像が把握しやすくなります。
続いては、日本における原油輸入の現状と生活への影響を確認していきます
続いては、日本がどのように原油を輸入し、私たちの生活にどのような影響を与えているのかを確認していきます。
日本はエネルギー資源の乏しい国であり、消費する石油のほぼ全量を海外からの輸入に頼っています。原油価格の変動は、ガソリン・灯油・電気代・物価など、家計のあらゆる側面に波及する重要な問題です。
日本の原油輸入量と主な輸入先
日本は世界有数の原油輸入国のひとつです。資源エネルギー庁の統計によれば、日本の原油輸入量はおおよそ年間約1億5,000万〜1億7,000万キロリットル前後で推移しています。
主な輸入先は中東諸国が圧倒的に多く、サウジアラビア・アラブ首長国連邦(UAE)・クウェートなどで全体の90%以上を占めています。
原油価格とガソリン価格の関係
「原油が高くなるとなぜガソリンが値上がりするのか」という疑問はよく聞かれます。ガソリン価格は、原油コストに加えて精製費用・流通コスト・各種税金(揮発油税・地方揮発油税・消費税)が積み上げられた価格です。
原油コスト:約30〜40%
精製・流通コスト:約15〜20%
税金(揮発油税等):約40〜50%
税金部分は固定的であるため、原油価格が上昇するほど税金の占める割合が相対的に下がり、原油価格の変動がガソリン価格に直接的に影響するようになります。これがいわゆる「ガソリン高」の構造です。
円安・原油高のダブルパンチと物価への影響
近年の日本が直面した大きな課題のひとつが、円安と原油高が同時に進行するダブルパンチです。
原油はドル建てで取引されるため、円安が進むと輸入コストが自動的に増大します。2022年から2023年にかけて1ドル=130〜150円台まで円安が進んだことで、企業や家庭のエネルギーコストが大幅に上昇しました。
エネルギーコストの上昇は製造業のコストや輸送費にも波及するため、食品・日用品など幅広い物価上昇につながります。このような「コストプッシュ型インフレ」は、日本の経済構造に大きな影響を与えるものでしょう。
まとめ
本記事では、「1バレルは何リットルか」という基本的な疑問から、ガロン・キログラム・トンへの換算、さらには原油価格のドルと円での目安、日本への影響まで幅広く解説しました。
1バレル=約159リットル=42ガロン=約136kg=約0.136トンという換算は、ニュースや経済レポートを読む際の基礎知識として非常に重要です。
原油価格はOPECの動向・地政学リスク・為替レートなど複合的な要因によって日々変動しており、その影響はガソリン価格や物価を通じて私たちの日常生活にも直結しています。
バレルという単位の意味を理解することで、エネルギー問題や国際経済のニュースがより身近に感じられるようになるでしょう。ぜひ今後の情報収集や経済理解に役立ててください。