化学反応を考える時には、まず反応物質がどのような特徴を持っているのかを考える必要があります。
例えば、あえて化学反応が起こらないような状況を作るためには、反応が発生しにくいガス(不活性ガス)をたくさん充填しておくことが大切であり、この不活性な気体の代表として「窒素」「希ガス(アルゴンなど)」などが挙げられるのです。
それでは、そもそも「なぜ窒素やアルゴンなどの希ガスが不活性なのか」理解していますか。
ここでは、この窒素やアルゴンなどの希ガスが不活性である理由についてその化学構造の観点から解説していきます。
目次
窒素が不活性である理由【化学構造】
それでは、まず窒素が不活性ガスに相当する理由について確認していきます。
窒素は化学式N2と記載し、構造式は以下の通りとなります。
つまり、窒素原子は共有電子対を3つずつ出し合うために、窒素分子N2となると3重結合となるのです。そして、このNN結合はかなり強固に結びついているため、窒素は他の物質とほとんど反応しない気体、つまり不活性ガスとなっているのです。
結局のところ、窒素が不活性ガスとなるのは化学的に非常に安定であり、エネルギー状態が低いからといえるのです。
アルゴンなどの希ガスが不活性ガスである理由
続いて、アルゴンを始めとした希ガス(18族元素)も不活性である理由について確認していきます。
アルゴンなどの希ガスは、基本的にオクテット則と呼ばれる最外殻電子が8個(ヘリウムは2個)をもつ化学的に非常に安定な構造をとっています。
なお、ヘリウムも最外殻電子が2個であっても結局のところ、それが最も安定する構造を取っているだけといえます。
つまり、アルゴンを代表とする希ガスが不活性なのは、窒素などと同様にその化学構造自体が非常に安定なものであるためと理解しておくといいです。
まとめ
ここでは、窒素やアルゴンなどの希ガスが不活性な理由について確認しました。
窒素の構造は先にも述べたように、共有電子対を出しあうことで3重結合を形成します。この結合が非常に強固であるために、周囲の物質とほとんど反応しないといえます。つまり、化学構造的に安定であるために不活性といえるのです。
同様に、アルゴンなどの希ガスでは、オクテット則と呼ばれるこちらもまた、化学的に安定でエネルギーが低い構造を取っています。
つまりは、窒素もアルゴンなどの希ガスも単純に、その構造の安定性が高いために、不活性ガスとなっているといえるのです。
多くの科学の知識を身につけ、毎日を楽しんでいきましょう。