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張力の求め方は?公式と計算方法を解説!(物理基礎:計算式:2つの物体:糸でつながれた運動など)

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張力の求め方は、物理の力学を学ぶうえで避けて通れない重要なテーマです。

「糸でつながれた物体はどうやって張力を計算するの?」「2つの物体が動いているとき、張力はどう変わるの?」といった疑問を持つ方も多いでしょう。

張力は重力や垂直抗力と並んで、力学の問題に頻繁に登場する力のひとつです。

この記事では、張力の求め方・公式・計算式を基礎から丁寧に解説し、2つの物体が糸でつながれた運動を含む具体的な計算例もあわせて紹介します。

目次

張力の求め方の基本は「運動方程式を立てること」

それではまず、張力を求める際の基本的な考え方と手順について解説していきます。

張力を求めるには、対象となる物体に働くすべての力を整理し、ニュートンの運動方程式を立てることが基本です。

公式として一概に「T=○○」と表せるものではなく、問題の状況に応じて運動方程式を組み立てる必要があります。

まずは基本的なパターンを確実に押さえていきましょう。

静止している物体の張力の求め方

物体が静止している場合、加速度はゼロのため、力のつり合い条件を使います。

上下方向のつり合いから、張力T=重力mgとなるのが最も基本的なケースです。

例:天井から糸でつるされた質量3kgのおもり(g=10m/s²)

・重力:mg=3×10=30 N(下向き)

・張力T(上向き)とつり合い

・T=30 N

斜め方向に糸が張られている場合は、張力をx成分(水平)とy成分(鉛直)に分解してそれぞれのつり合いを考える必要があります。

成分分解は三角関数(sin・cos)を使って行い、各方向で「力の和=0」という式を立てます。

加速度がある場合の張力の求め方

エレベーターや引っ張られる物体など、加速度が生じている状況では張力の大きさが変化します。

この場合はF=maの運動方程式をそのまま使います。

例:質量2kgの物体が上向きに3m/s²で加速しているとき(g=10m/s²)

・上向きを正とする

・T-mg=ma

・T=m(g+a)=2×(10+3)=26 N

上向きに加速するときは張力が重力より大きくなり、下向きに加速するときは張力が重力より小さくなります。

自由落下(a=g)の場合は張力がゼロになり、これが「無重力状態」と感じるメカニズムでもあります。

張力を求める手順のまとめ

張力を求めるときの手順を整理すると、以下のようになります。

① 対象とする物体を決め、自由体図を描く

② 働くすべての力(重力・張力・垂直抗力・摩擦力など)を書き込む

③ 加速度の向きと大きさを確認する

④ 運動方程式 F=ma(または力のつり合い)を立てる

⑤ 張力Tについて解く

この手順を習慣化することで、どのような状況でも張力を正確に求められるようになるでしょう。

2つの物体が糸でつながれた場合の張力の求め方

続いては、2つの物体が糸でつながれて運動するケースでの張力計算を確認していきます。

このパターンは物理基礎・物理の入試でも頻出であり、手順を正しく覚えることが大切です。

水平面上で2物体をつないで引く場合

摩擦のない水平面上に2つの物体が糸でつながれ、外力Fで引かれている状況を考えます。

例:質量m₁=3kg・m₂=2kg、外力F=20N(水平・右向き)、摩擦なし

・全体の加速度:a=F÷(m₁+m₂)=20÷5=4 m/s²

・m₂についての運動方程式:T=m₂×a=2×4=8 N

2物体が同じ糸でつながれている場合、全体を1つの物体とみなして加速度を求め、その後個別に運動方程式を立てて張力を求めるのが定石です。

このように2段階で考えることで、計算ミスを防げます。

滑車を介して2物体がつながれている場合(アトウッドマシン)

軽い滑車に軽い糸をかけ、両端に質量の異なるおもりをぶら下げた「アトウッドマシン」は、張力計算の代表的な問題です。

例:質量m₁=5kg・m₂=3kg(g=10m/s²)

・加速度:a=(m₁-m₂)g÷(m₁+m₂)=(5-3)×10÷8=2.5 m/s²

・張力:T=m₂(g+a)=3×(10+2.5)=37.5 N

(または T=m₁(g-a)=5×(10-2.5)=37.5 N で確認)

軽い糸・軽い滑車の条件下では、糸の張力はどの位置でも等しくなります。

両側のおもりそれぞれについて運動方程式を立て、連立して解くのが正確な解法です。

摩擦がある場合の張力の求め方

水平面上の物体に摩擦力がある場合、運動方程式に摩擦力の項が加わります。

例:質量3kgの物体を張力Tで引く。動摩擦係数μ’=0.3、g=10m/s²、加速度2m/s²

・摩擦力f=μ’×mg=0.3×3×10=9 N

・T-f=ma → T=ma+f=3×2+9=15 N

摩擦力は常に運動の方向と逆向きに働くため、摩擦を含む問題では「物体がどちらに動いているか」を確認してから式を立てることが重要です。

さまざまな状況での張力公式の比較

続いては、状況別の張力公式を一覧で確認していきます。

パターンごとに公式を整理しておくと、問題を見た瞬間にどの式を使うべきか判断しやすくなります。

状況 張力の公式 備考
静止したおもり T=mg 力のつり合い
上向き加速 T=m(g+a) T>mg
下向き加速 T=m(g-a) T<mg
自由落下 T=0 無重力状態
2物体・水平引き T=m₂×a 全体でa算出後
アトウッドマシン T=2m₁m₂g÷(m₁+m₂) 滑車使用
摩擦あり水平面 T=ma+μ’mg 動摩擦係数使用

円運動での張力の求め方

糸につながれた物体が円運動をしている場合、向心力として張力が働きます。

水平面内での等速円運動では、張力が向心力の役割を果たします。

例:質量0.5kgの物体を長さ0.8mの糸で水平円運動(速さ4m/s)

・向心力F=mv²÷r=0.5×16÷0.8=10 N

・張力T=向心力=10 N(水平面内では重力と垂直)

鉛直面内での円運動では、最高点と最低点で張力の計算式が異なるため注意が必要です。

最高点では T+mg=mv²÷r、最低点では T-mg=mv²÷r となります。

斜面上での張力の求め方

斜面上の物体を糸で支えている場合、張力は斜面に沿った方向に働きます。

例:傾角30°の滑らかな斜面上に置かれた質量4kgの物体を斜面に沿った糸で支える(g=10m/s²)

・斜面方向の力のつり合い:T=mg sin30°=4×10×0.5=20 N

斜面問題では、重力を「斜面方向」と「斜面垂直方向」に分解することが基本のアプローチです。

複数の糸がある場合の張力の求め方

天井や壁に複数の糸でつながれた物体が静止している場合、各糸の張力をT₁・T₂として連立方程式を立てます。

水平方向と鉛直方向それぞれでつり合いの式を立て、連立して解くのが基本手順です。

各糸の角度を正確に読み取り、sin・cosを使って成分分解することが正解への近道でしょう。

まとめ

この記事では、張力の求め方・公式・計算方法について、さまざまな状況を例に挙げながら解説しました。

張力を求める基本は「運動方程式を立てること」であり、静止・加速・円運動・斜面・摩擦ありなど状況に応じてアプローチを変えることが重要です。

2物体問題では「全体→個別」の2段階で考え、連立方程式を丁寧に立てることが正確な答えへの近道となります。

今回紹介した公式や解き方の手順を参考に、さまざまな問題で練習を重ねていきましょう。

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