「うちの子供がだいぶせいちょうしてきた」とか「観葉植物がせいちょうしてきて嬉しい」など、「せいちょう」という言葉を使用する場面が多々あります。
ただ、せいちょうという言葉であっても「成長」と「生長」の2種類の漢字があるわけですが、「どのような違いがあり、どう使い分けを行うのか」理解していますか。
ここでは、成長と生長の違いや使い分けについて例文を用いて解説していきます。
目次
成長と生長の違い
まず、より見かけるせいちょうの漢字としては「成長」が挙げられます。
こちらの「成長」は、人、事、ものなどのあらゆるものに対して使用され、今ではせいちょうといえば「成長」と記載することで統一されつつあるともいえます。
一方で、生長とは草木や森などといった植物に関するせいちょう(幹がのびたり、葉が大きくなったりなど)のみに限定して使われるものといえます。
なお、生えるという言葉からもわかるように、草木はまず生えて、長くなることで、大きくなっていきますよね。
このようなイメージで、植物のせいちょうは「生長」とも書けることを覚えておくといいです。ただ、上述のよう現在では、両方とも「成長」を使用することが増えつつあることも理理解しておきましょう。
以下のようなイメージで、成長と生長の違いを理解しておくといいです。
なお、教育出版のHPの小学生理科の項目として、この成長と生長の違いが以下のよう明記されています。
国語辞典のなかには,生物の体が大きくなることを一般的に「成長」といい,植物などがのびて大きくなることを「生長」といって,表記を2種類に区別 するものもあるようです。教科書では,原則として,理科に関する用語は『文部省学術用語集』に則して表記するようにしています。『文部省学術用語集』では,動物学編・植物学編ともに,広い意味で使われる「成長」に表記が統一されています。
https://www.kyoiku-shuppan.co.jp/textbook/shou/rika/document/ducu3/qa/1831.htmlより引用
成長と生長の使い分け
それでは、生長と成長の例文を元に使い分け方法について確認していきます。
成長や生長を用いた例文
・子供が成長して嬉しい
・自分の事業が成長し、かなり規模が大きくなってた
・成長痛で膝が痛い
・宗教が成長し大規模になった
・ペットが成長して大きくなった
・チューリップが成長(生長)し、花を咲かせた
・去年うえた木が生長(成長)してかなり大きくなった
などなどの使用されます。
成長と統一するのが基本で、どうしても区別したいときに植物にたいして生長を使用することを心がけましょう。
成長点と生長点
なお、「成長」と「生長」の後に点がついたものとして、「成長点」と「生長点」というものがあります。
これら「せいちょうてん」とは、植物が成長(生長)するために行う根っこや幹の先端にある細胞分裂を行う部分のことを指します。
なお、植物の「せいちょう」を対象としているために、成長点でも生長点でも大丈夫です。ただ、上述のように「成長」の方が一般的に使用するため、「成長点」と記載する方が無難といえます。
このような「成長点と生長点の違い」も併せて覚えておきましょう。
まとめ
ここでは、「成長と生長の違いと使い分け」「成長点と生長点の違い」について解説しました。
今では、もの、人、事などすべての「せいちょう」に対して基本的には「成長」という漢字を使用します。ただ、植物における「せいちょう」であれば、「生長」と生えるという字を使った生長を使ってもいいです。
生長と成長の違いや使い分けを理解し、より円滑なコミュニケーションを図っていきましょう。