科学的な解析を行うためには、まず専門的な用語自体を理解しておく必要があります。
例えば、腐食に関係するワードには、錆、腐食、酸化といった似たようなものがあるわけですが、これらの定義や違いについて理解していますか。
ここでは「錆び、腐食、酸化の意味や違い」について解説していきます。
目次
錆と腐食の違い
まずは、腐食の意味を考えていきます。
腐食とは金属を始めとした物質全般に起こるものであり、金属の場合では物体と外部との反応によって金属元素が溶け出したり、溶けたイオンが別の物質と反応することよって新たな化合物となる現象といえます。
そして、色が変色したり、元の金属が削れたりするのは、この腐食が起こっているために発生するわけです。
一方で、錆びとは上の腐食の中でも、金属が溶け出し新たな酸化物(鉄の錆びであればFe2O3など)として析出したものを指します。つまりこの反応が起こることが錆びるという現象を指しており、腐食の中の一種としてこの錆びが含まれるのです。
このように錆びと腐食の違いを説明することができます。
腐食と酸化の違い
さらに、腐食と類似した言葉に「酸化」というものが挙げられます。
腐食は先にも述べた通りの意味がありますが、酸化とは言葉の通り酸素も化合することを意味します。そのためどのような物質であっても、その物質と酸素が結合し、別の物質となっていれば酸化に相当するわけです。
先にも述べた錆の生成も元の物質が鉄でありそれが溶解し鉄イオン(Fe2+)となり、その後酸素との結びつきを経て化合物となるため、酸化の一種といえます。
また、水素と酸素が反応し水(2H2 + O2 → 2H2O)となるのも、酸化の一種ですが、これは金属などの腐食のようにネガティブな意味はないといえます。つまり、好ましい反応であろうが、望んでいない反応であろうが酸素と反応すると酸化になることを理解して絵置きましょう。
このように腐食と酸化には相違点があるのです。
まとめ
ここでは、錆び、腐食、酸化の違いについて解説しました。
・腐食とは、金属は溶けたり錆びたりする劣化の総称
・錆びるとは溶けた金属イオンと酸素が結びつき錆び(Fe2O3など)を生成する反応
・酸化はもとの物質と酸素が反応すること
を指します。
どれも良く似ている言葉であるため、上述のような相違点をきちんと理解しておきましょう。科学用語を理解し、日常生活や業務に役立てていきましょう。