夏になるとエアコンを使用することが多くなりますが、使用量が多いと結構な電気代となることが多いです。
そのためにも、上手に冷房を活用することが重要となり、冷房の風向きをうまく調整ツすると冷える効率が高まります。これは「冷たい空気は下の方に溜まりやすい」「暖かい空気は上昇しやすい」という性質を利用しているといえますが、具体的にどう対処するのが効果的なのでしょうか。
ここでは、冷たい空気が下に溜まる理由を「暖かい空気と冷たい空気の密度」の観点から解説していきます。
目次
空気は冷えると重くなり、下に溜まる【気体の温度と密度】
結論からいいますが、空気などの気体は温度が低下すると密度が大きくなるという特徴があります。そして、冷たい空気は密度が高いために、下の方に溜まるのです。
この理由は気体の状態方程式PV=nRTを使用して解説することが可能です。
圧力Pが大気圧(1atm)、物質量nが1molで一定のとき、空気の分子量をMと置くとします。すると、M/V=密度ρに当たるので、V=M/ρとなり、これを上の式に入れます。
すると、M/ρ=RTとなり、ρ=M/RTという温度と反比例する式になるのです。
つまり、寒い日では温度Tの数値が小さくなるので、密度が高くなるのです。つまり、冷たい空気は密度が上昇し、下に溜まるのです。
暖かい空気が上昇する理由(密度が小さいと浮く)
そして温度が高い空気が上に溜まる理由は、これと同様に考えるといいです。つまり、上の式にて温度Tが増加しているため、密度ρが低下します。
結果として、暖かい空気は密度が小さいの上昇していくのです。
夏のエアコン(冷房)の風向きは水平にすべき
このように、空気は暖かいと上に行き、冷たいと下に溜まります。
そのため、夏場での冷房をかけるのであれば、水平もしくは若干下向き程度に風向きを設定しておくといいです。
上の図のように、エアコンの風を水平にしておくと、部屋全体がきちんと冷えることになるためです。
このように、空気の温度と密度の関係を理解し、上手に冷房を使用していきましょう。
まとめ
ここでは、「暖かい空気は上に溜まり、冷たい空気は下に行く理由」「夏場の冷房の風の向きをどうすると効率的か」について解説しました。
気体は温度が高いと密度が小さくなり、浮きやすくなります。逆に、暖かいほど密度が大きく、重くなる性質があるのです。これは、気体の状態方程式を変形した式によって理論的に説明ができます。
そのため、夏にエアコンを効率的に使う場面では、下向きではなく水平方向にするといいです。
上手に夏場の冷房を活用し、節約を心がけていきましょう。