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動粘度の単位は?St・cStの読み方や意味も!(ストークス:センチストークス:SI単位:m²/s:換算など)

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流体の流れやすさを表す物理量として、粘度はさまざまな産業・工業分野で欠かせない概念です。

その中でも動粘度(動粘性係数)は、流体の慣性力と粘性力の比を表す重要な指標であり、潤滑油・燃料・化学薬品・食品など幅広い分野で活用されています。

しかし、「動粘度の単位って何?」「StやcStってどう読むの?」「SI単位との換算はどうすればいい?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

本記事では、動粘度の単位であるスト―クス(St)・センチストークス(cSt)の読み方・意味から、SI単位(m²/s)との換算方法まで、わかりやすく解説していきます。

目次

動粘度の単位はSt(ストークス)・cSt(センチストークス)・m²/s(SI単位)の3種類が主流

それではまず、動粘度の単位の全体像について解説していきます。

動粘度の主な単位として使われるのは、St(ストークス)・cSt(センチストークス)・m²/s(SI単位)の3種類です。

現在の国際的な基準であるSI単位系では、動粘度の単位は「m²/s(平方メートル毎秒)」が正式な単位とされています。

一方で、産業の現場や工業規格では「St(ストークス)」や「cSt(センチストークス)」が今でも広く使われており、換算の知識が必要です。

動粘度とは、流体の粘性係数(動力学的粘度・絶対粘度)をその流体の密度で割った値のことを指します。

流体が重力などの外力によってどれだけ自然に流れるかを示す指標であり、動粘度=粘性係数÷密度という関係式で表されます。

たとえば、同じ粘性係数であっても、密度の大きい流体と小さい流体では動粘度の値が異なります。

このことから、動粘度は「流体の流れにくさ」を密度まで考慮したより実態に近い指標といえるでしょう。

St(ストークス)とは何か

St(ストークス)は、CGS単位系における動粘度の単位です。

「St」という記号は、流体力学の発展に大きく貢献したアイルランド出身の物理学者ジョージ・ガブリエル・ストークス(George Gabriel Stokes)の名前に由来しています。

CGS単位系とは、長さをセンチメートル(cm)・質量をグラム(g)・時間を秒(s)とする単位系のことです。

この単位系において、1 St(ストークス)は「1 cm²/s(平方センチメートル毎秒)」に相当します。

1 St(ストークス)= 1 cm²/s

cSt(センチストークス)とは何か

cSt(センチストークス)は、ストークス(St)の100分の1に相当する単位です。

「c(センチ)」というSI接頭語が示すとおり、1 cSt=0.01 Stという関係になります。

実際の工業・産業現場では、水や潤滑油などの動粘度がStよりも小さい値で表されることが多いため、cSt(センチストークス)の方が実務でよく使われる単位です。

たとえば、20℃の水の動粘度は約1 cSt、エンジンオイルの動粘度は数十~数百 cStの範囲になります。

1 cSt(センチストークス)= 0.01 St = 1 mm²/s(平方ミリメートル毎秒)

m²/s(SI単位)とは何か

m²/s(平方メートル毎秒)は、国際単位系(SI)における動粘度の正式な単位です。

科学的な研究や国際規格では、基本的にこのSI単位が使用されます。

ただし、m²/sで表した値は非常に小さくなることが多く、工業的な場面ではcStやStが依然として主流となっているのが実情です。

St・cStの読み方と意味を正確に押さえよう

続いては、St・cStの読み方と意味について確認していきます。

単位記号は知っていても、正しい読み方を知らないまま使っているケースも少なくありません。

「St」の正しい読み方

「St」は「ストークス」と読みます。

英語表記では「Stokes」であり、前述のストークス博士の名前がそのまま単位名になったものです。

日本語では「ストークス」と呼ぶのが一般的で、英語圏でも「Stokes(ストークス)」と発音されます。

単位記号はイタリック体の「St」であり、大文字の「S」と小文字の「t」の組み合わせで表されます。

「cSt」の正しい読み方

「cSt」は「センチストークス」と読みます。

「c」はSI接頭語の「センチ(centi)」を意味し、「10⁻²(0.01)」を表します。

したがって、センチストークスとは「ストークスの100分の1」という意味の単位です。

英語表記では「centistokes」と書き、英語圏でも「センチストークス」という発音がそのまま使われます。

動粘度の単位が使われる身近な例

動粘度の単位は、私たちの生活に身近な場面でも使われています。

代表的な例としては、自動車のエンジンオイルの規格が挙げられるでしょう。

エンジンオイルの粘度グレードを示すSAE規格(Society of Automotive Engineers)では、動粘度の測定値(cSt)が基準として使用されています。

また、食品・化粧品・医薬品の分野でも、液体の流動性評価に動粘度とその単位が活用されています。

動粘度の単位換算(St・cSt・m²/s・mm²/s)をマスターしよう

続いては、動粘度の単位換算について確認していきます。

St・cSt・m²/s・mm²/sなど複数の単位が混在するため、それぞれの換算関係をしっかり理解しておくことが重要です。

単位換算の一覧表

以下の表に、動粘度の主な単位換算をまとめました。

単位 読み方 換算値
1 m²/s 平方メートル毎秒(SI単位) 10,000 St = 1,000,000 cSt
1 St ストークス 1 cm²/s = 100 cSt = 1×10⁻⁴ m²/s
1 cSt センチストークス 0.01 St = 1 mm²/s = 1×10⁻⁶ m²/s
1 mm²/s 平方ミリメートル毎秒 1 cSt = 0.01 St = 1×10⁻⁶ m²/s

この表からわかるとおり、1 cSt=1 mm²/sという関係が成り立っており、SI単位であるm²/sと実務でよく使われるcStとの橋渡しとなる単位がmm²/sです。

動粘度の単位換算でもっとも重要なポイントをまとめると以下のとおりです。

1 m²/s = 10⁴ St = 10⁶ cSt

1 St = 10⁻⁴ m²/s = 100 cSt = 1 cm²/s

1 cSt = 10⁻⁶ m²/s = 0.01 St = 1 mm²/s

換算の具体的な計算例

換算の手順を具体的な例で確認してみましょう。

例1:50 cStをm²/sに換算する場合

50 cSt × 10⁻⁶ m²/s/cSt = 5×10⁻⁵ m²/s

例2:0.003 m²/sをcStに換算する場合

0.003 m²/s × 10⁶ cSt/m²/s = 3,000 cSt

例3:5 StをcStに換算する場合

5 St × 100 cSt/St = 500 cSt

上記のように、換算係数をかけるだけで簡単に変換できます。

実務では特にm²/sとcSt(またはmm²/s)の換算を使う場面が多いので、係数「10⁶」をしっかり覚えておくと便利でしょう。

動粘度と粘性係数(動力学的粘度)の違い

動粘度と混同しやすい用語として、粘性係数(動力学的粘度・絶対粘度)があります。

粘性係数の単位はPa·s(パスカル秒)またはmPa·s(ミリパスカル秒)、CGS単位系ではP(ポアズ)・cP(センチポアズ)です。

動粘度は「粘性係数÷密度」で求められるため、同じ流体でも測定温度が変わると密度が変化し、動粘度の値も変わります。

この点に注意しながら、用途に応じて動粘度・粘性係数のどちらを使うか判断することが大切です。

動粘度の測定方法と実務での活用場面

続いては、動粘度の測定方法と実務での活用場面について確認していきます。

単位や換算を理解したうえで、実際にどのように動粘度が測定・利用されているかを知ることで、理解がより深まるでしょう。

動粘度の主な測定方法

動粘度を測定する代表的な方法として、ガラス製毛管粘度計(オストワルド粘度計・ウベローデ粘度計など)を使った測定が広く知られています。

毛管粘度計では、流体が一定の毛管を流れる時間を計測することで動粘度を算出します。

また、回転式粘度計を使って粘性係数を測定した後、別途密度を測定して動粘度を計算する方法もあります。

JIS規格(JIS K 2283など)や国際規格(ASTM D445など)では、動粘度の測定方法が細かく定められており、品質管理の場面でも重要な役割を果たしています。

潤滑油・燃料分野での活用

動粘度がもっとも頻繁に使われる分野の一つが、潤滑油・燃料油の品質管理です。

エンジンオイル・ギヤオイル・油圧作動油などは、使用する機器や環境温度に応じた動粘度の範囲が規格で定められています。

動粘度が適切でない場合、機器の摩耗・焼き付き・燃費悪化などのトラブルにつながる可能性があります。

そのため、定期的な動粘度測定による油脂管理が、設備保全において欠かせないものとなっています。

化学・食品・医薬品分野での活用

化学製品・食品・医薬品の分野でも、動粘度は品質評価の重要な指標です。

例えば、シャンプーや化粧品のテクスチャーの評価、食品のソースやシロップの流動性管理、注射液の投与しやすさの評価など、多岐にわたる用途があります。

これらの分野では、温度変化による動粘度の変化(粘度指数)も重要な管理項目であり、動粘度と温度の関係を正確に把握することが求められます。

また、環境規制に関連した廃液・排水管理においても、動粘度データが活用される場面があります。

まとめ

本記事では、「動粘度の単位は?St・cStの読み方や意味も!(ストークス・センチストークス・SI単位・m²/s・換算など)」というテーマで詳しく解説してきました。

動粘度の単位には、CGS単位系のSt(ストークス)・cSt(センチストークス)と、SI単位系のm²/s(平方メートル毎秒)があります。

Stは「ストークス」、cStは「センチストークス」と読み、いずれも偉大な物理学者ストークスの名前に由来しています。

換算の基本は「1 m²/s = 10⁶ cSt」「1 cSt = 1 mm²/s」という関係式であり、実務では特にcStとm²/sの換算が頻出です。

動粘度は潤滑油・燃料・化学製品・食品・医薬品など幅広い分野で活用されており、適切な単位と換算の知識を持つことが、品質管理や技術的な議論において非常に役立ちます。

本記事の内容がお役に立てれば幸いです。

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