科学的な分野における物体の密閉性を表す用語として「気密」と「水密」と呼ばれるものがあります。
気密と水密はとても似ていますが、どのような違いがあるのか理解していますか。
ここでは気密と水密の違いや使い分けについて解説していきます。
目次
気密と水密の違いと使い分け
気密とは「ある物体に着目したときに、気体が物体の内部に入り込まないほどに密閉されているかどうか」を意味する用語です。
以下のようなイメージです。
一方で、水密とは「ある物体に着目したときに、水分が物体の内部に入り込まないほどに密閉されているかどうか」を示した用語といえます。
以下のようなイメージです。
つまり、密閉性を判断する指標として「空気などの気体」か「水分といった液体」かを使用するのかが、気密と水密の違いといえます。
そして、物体に気体が入り込まないよう密閉されていることを「気密が保たれている」「気密性が確保されている」などと表現します。同様に、物体に水分が侵入しないほど密閉されている状態を「水密が保ってある」「水密性が保持されている」などと表すわけです。
なお、基本的に気体分子の方が液体分子よりも大きいため、水密性を保つことよりも、気密性を確保することの方がより高い密閉性が必要とされます。
つまり、水密が保持されているものであっても、気密性が保たれないケースもあるため注意が必要といえます。
気密試験と水密試験
なお、気密性や水密性が保たれているかどうかを判断する試験として、気密試験や水密試験と呼ばれるものがあります。
これらは、密閉性を評価したい物体に対して適用する試験のことを指します。
具体的に、気密試験では物体に対して基準となる圧力まで気圧をかけていき、圧力をかけた状態でも気密が保たれているかどうかを確認、評価します。
同様に水圧試験であれば、物体に対して水圧をかけ、評価したい圧力下でも水密性が保持されているかどうかを検討するものといえます。
気密試験をするか水密試験をするかは状況に応じて変化させていくといいです。
まとめ
ここでは、「気密と水密の違いや使用方法」「気密試験と水密試験の意味」について解説しました。
気密とは「ある物体に着目したときに、気体が物体の内部に入り込まないほどに密閉されているかどうか」を示す用語です。
一方で、水密の場合は密閉性の評価に水分(液体)が使用されるのが違いといえます。
きちんと気密と水密の違いを理解し、円滑なコミュニケーションを取っていきましょう。