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寸法公差のh7とは?公差等級と基準寸法の関係を解説!(はめあい:軸:穴:IT7:基準穴方式など)

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機械設計や製造の現場では、部品同士が正確に組み合わさるよう寸法公差の理解が欠かせません。

その中でも「h7」という記号を目にしたことがある方は多いのではないでしょうか。

h7ははめあい公差の中でよく使われる公差クラスの一つで、軸側の基準となる重要な規格です。

しかし、公差等級や基準寸法との関係、IT7やh7とH7の違いなど、理解しようとすると混乱してしまうこともあるでしょう。

本記事では「寸法公差のh7とは?公差等級と基準寸法の関係を解説!(はめあい:軸:穴:IT7:基準穴方式など)」というテーマのもと、h7の意味から実務での使い方まで丁寧に解説していきます。

初めて学ぶ方にもわかりやすい内容を心がけていますので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

h7とは軸側の公差クラスを示す記号であり、基準軸方式の代表格

それではまず、h7が具体的に何を意味するのかについて解説していきます。

h7の「h」と「7」それぞれの意味

h7は、ISO規格に基づく寸法公差の表記方法の一つです。

この記号は大きく二つの要素に分けられます。

まず「h」の部分は公差域クラス(位置)を示しており、軸の公差位置を表しています。

小文字の「h」は軸側の公差クラスを意味し、上の寸法許容差がゼロであることが特徴です。

次に「7」の部分はIT公差等級を表しており、公差幅の大きさを示しています。

数字が小さいほど精度が高く、数字が大きいほど許容される誤差の幅が広くなる仕組みです。

h7の「h」は軸側かつ上の許容差がゼロであることを示し、「7」はIT7という精度等級を意味します。この組み合わせが「基準軸方式」における標準的な公差クラスとして広く採用されています。

上の許容差がゼロとはどういうことか

h7において「上の許容差がゼロ」とは、軸の最大許容寸法が基準寸法(呼び寸法)と一致することを意味します。

例えば基準寸法が20mmの場合、h7では軸の最大値がちょうど20mmとなり、そこから下方向にのみ公差幅が設けられます。

つまり軸は必ず基準寸法以下となるよう設計されているわけです。

これにより、穴との組み合わせにおいて「すきまばめ」や「中間ばめ」が実現しやすくなります。

大文字H7との違いを理解する

h7と混同されやすいのがH7(大文字エイチ)です。

大文字の「H」は穴側の公差クラスを示し、下の許容差がゼロであることを意味します。

つまりH7は穴の最小許容寸法が基準寸法と一致し、穴は必ず基準寸法以上の大きさとなります。

一方h7は軸側であり、軸は必ず基準寸法以下となるという点が大きな違いです。

この両者ははめあいの基準方式を決める際に非常に重要な役割を担っています。

公差等級IT7と基準寸法の関係を理解する

続いては、IT公差等級と基準寸法の関係を確認していきます。

IT公差等級とは何か

IT公差等級とは「International Tolerance Grade」の略で、JIS B 0401に規定された公差幅のグレードを指します。

IT01からIT18までの等級があり、数値が小さいほど高精度で厳しい公差を示します。

一般的な機械部品に使用されるのはIT5からIT10程度の範囲が多く、h7はその中でも汎用性が高い等級として知られています。

基準寸法によって公差幅が変わる仕組み

h7の公差幅は固定されているわけではなく、基準寸法(呼び寸法)によって変化します。

これはIT公差等級が寸法区分ごとに異なる公差値を持っているためです。

寸法が大きくなるほど公差幅も広くなる傾向があり、これは製造誤差が寸法に比例して生じやすいという実態を反映しています。

以下の表はh7における主な基準寸法と公差幅の例です。

基準寸法(mm) IT7公差幅(μm) 上の許容差 下の許容差
3以下 10 0 −10
3超〜6以下 12 0 −12
6超〜10以下 15 0 −15
10超〜18以下 18 0 −18
18超〜30以下 21 0 −21
30超〜50以下 25 0 −25
50超〜80以下 30 0 −30
80超〜120以下 35 0 −35

具体的な計算例で確認する

例:基準寸法が30mmの軸にh7を指定した場合

IT7公差幅は25μm(0.025mm)

上の許容差:0mm

下の許容差:−0.025mm

したがって軸の許容寸法は、29.975mm〜30.000mmとなります。

このように基準寸法ごとに公差幅が定められているため、図面を読む際には必ず寸法区分を確認することが大切です。

また、同じIT7等級でも基準寸法が異なれば公差値も変わるため、慣れないうちは表を参照しながら確認するとよいでしょう。

はめあいの種類と基準穴方式・基準軸方式の考え方

続いては、はめあいの分類と基準方式の考え方を確認していきます。

はめあいの3種類(すきまばめ・しまりばめ・中間ばめ)

はめあいとは、穴と軸を組み合わせたときの関係を示す概念です。

組み合わせ方によって以下の3種類に分類されます。

種類 概要 代表的な組み合わせ例
すきまばめ 常にすきまが生じる組み合わせ H7/f7、H7/g6など
中間ばめ すきままたは締め代が生じる組み合わせ H7/js6、H7/k6など
しまりばめ 常に締め代が生じる組み合わせ H7/p6、H7/s6など

h7の軸はどの穴の公差クラスと組み合わせるかによって、はめあいの種類が変わります。

設計意図に合ったはめあいを選ぶことが、機能を正しく発揮させる上で非常に重要です。

基準穴方式とは

基準穴方式とは、穴の公差クラスをH(下の許容差がゼロ)に固定し、軸側の公差クラスを変えることで異なるはめあいを実現する方式です。

実務では最も広く使われており、穴加工(リーマ加工や研削など)を一定の精度に保ちながら、軸の公差を変えて調整するのが一般的です。

穴は加工が難しいため基準を固定し、比較的加工しやすい軸側で調整するという考え方に基づいています。

基準穴方式では「H7」を穴側の基準とし、軸側にh7やjs6、p6などを組み合わせることで、すきまばめ・中間ばめ・しまりばめを使い分けます。日本の機械設計現場では基準穴方式が標準的に採用されています。

基準軸方式とh7の位置づけ

基準軸方式とは、軸の公差クラスをh(上の許容差がゼロ)に固定し、穴側の公差クラスを変えることでさまざまなはめあいを実現する方式です。

h7はこの基準軸方式における代表的な公差クラスであり、軸を基準として穴側を変化させる場面で活躍します。

特定の軸径を使い回したい場合や、シャフト類を共通化したい場合などに基準軸方式が有効です。

ただし、基準穴方式に比べると使用頻度はやや少なめです。

h7が使われる実務場面と選定のポイント

続いては、h7が実際にどのような場面で使われるのかを確認していきます。

h7が適している用途

h7は精度と汎用性のバランスが取れた公差クラスであるため、幅広い機械部品に採用されています。

具体的には軸受けや歯車の軸、治具や工具のシャフト部など、精密さが求められながらも組み立てのしやすさも重要な部位に多く使われます。

また、表面仕上げの精度(Ra値)とも密接に関係しており、h7には一般的に研削仕上げが対応することが多いです。

公差クラスを選定する際の考え方

公差クラスを選ぶ際には、以下の観点から判断することが大切です。

まず「どんなはめあいが必要か(すきまばめ・しまりばめ・中間ばめ)」を明確にすることが出発点です。

次に部品の機能・コスト・加工精度のバランスを考慮し、過剰な精度指定を避けることも重要です。

公差を厳しくすればするほど加工コストは上がるため、必要十分な精度を見極める判断力が設計者には求められます。

よく使われるh7の組み合わせ例

H7/h7:すきまがほぼゼロの組み合わせ(位置決め用途など)

H7/h6:より精度が高いすきまはめ

D8/h7:大きなすきまを持つ組み合わせ(摺動部など)

図面上でのh7の読み方と記入方法

図面では、h7は通常「φ30 h7」のように基準寸法に続けて記載されます。

括弧内に許容差の数値を添記することもあり、例えば「φ30 h7(0/−0.025)」のように表記されるケースもあります。

図面を読む際には、まず公差域クラスの文字(h)と数字(7)を分けて理解し、その後に対応する許容差表を参照して実際の数値を確認する流れが基本です。

公差の読み違えは不良品の原因になるため、図面確認は慎重に行うことが不可欠です。

まとめ

今回は「寸法公差のh7とは?公差等級と基準寸法の関係を解説!(はめあい:軸:穴:IT7:基準穴方式など)」というテーマで詳しく解説してきました。

h7は軸側の公差クラスを示す記号であり、「h」が上の許容差ゼロを意味し、「7」がIT7という精度等級を表しています。

基準寸法によって公差幅は変化するため、図面確認の際は必ず寸法区分ごとの許容差を参照することが重要です。

また、基準穴方式と基準軸方式の違いを理解することで、はめあい設計の考え方がより明確になるでしょう。

h7は実務で非常に頻繁に登場する公差クラスですので、本記事を参考にしっかりと基礎を身につけていただければ幸いです。

公差設計の理解を深めることが、高品質な部品づくりへの第一歩となるでしょう。

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