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重曹とクエン酸の反応による二酸化炭素の発生量は?計算方法も解説!(化学反応式:理論値の求め方:炭酸水素ナトリウムなど)

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重曹(炭酸水素ナトリウム)とクエン酸を混ぜると泡が発生する現象は、入浴剤や料理の膨らし粉としておなじみです。

この泡の正体は二酸化炭素(CO₂)であり、化学反応によって発生します。

では実際にどのくらいの量のCO₂が発生するのでしょうか。

本記事では、重曹とクエン酸の化学反応式・CO₂発生量の理論計算方法・モル計算の手順をわかりやすく解説していきます。

目次

重曹とクエン酸の反応:化学反応式と発生するCO₂

それではまず、重曹とクエン酸の化学反応式と、発生するCO₂の量を決める基本的な考え方について解説していきます。

重曹(炭酸水素ナトリウム:NaHCO₃)とクエン酸(C₆H₈O₇)が反応すると、クエン酸ナトリウム・水・二酸化炭素が生成されます。

化学反応式:

3 NaHCO₃ + C₆H₈O₇ → C₆H₅O₇Na₃ + 3 H₂O + 3 CO₂

(炭酸水素ナトリウム3モル)+(クエン酸1モル)→(クエン酸ナトリウム)+(水3モル)+(二酸化炭素3モル)

この反応式から、重曹3モルとクエン酸1モルが反応してCO₂が3モル発生することがわかります。

モル比(量比)を正確に把握することが、CO₂発生量を計算するうえでの出発点です。

各物質の分子量の確認

CO₂発生量を計算するために、まず各物質の分子量を確認しましょう。

・NaHCO₃(重曹)の分子量:Na(23) + H(1) + C(12) + O₃(48) = 84 g/mol

・C₆H₈O₇(クエン酸)の分子量:C₆(72) + H₈(8) + O₇(112) = 192 g/mol

・CO₂の分子量:C(12) + O₂(32) = 44 g/mol

これらの値を使って、実際の質量からモル数・CO₂発生量の順に計算を進めます。

制限試薬の考え方

重曹とクエン酸を混ぜるとき、反応式のモル比(重曹:クエン酸 = 3:1)通りに用意できるとは限りません。

どちらか一方が先になくなる(制限試薬)と、反応はそこで止まります。

CO₂発生量は制限試薬の量によって決まるため、まずどちらが制限試薬かを確認することが重要です。

反応の仕組みと酸塩基反応

この反応は酸塩基反応(中和反応)の一種です。

クエン酸(弱酸)が重曹(弱塩基性)のHCO₃⁻イオンと反応し、不安定な炭酸(H₂CO₃)が生成されます。

炭酸はすぐに水とCO₂に分解するため、CO₂が気泡として発生します。

CO₂発生量の計算方法:具体的な手順と例題

続いては、重曹とクエン酸の質量からCO₂の発生量を求める具体的な計算手順を確認していきます。

例題1:重曹を制限試薬とする場合

重曹10 gとクエン酸10 gを混ぜた場合のCO₂発生量(理論値)を求めます。

①各物質のモル数を計算:

重曹:10 / 84 ≈ 0.119 mol

クエン酸:10 / 192 ≈ 0.0521 mol

②制限試薬の判定(モル比 NaHCO₃:C₆H₈O₇ = 3:1 が必要):

重曹0.119 molを反応させるには クエン酸 0.119/3 ≈ 0.0397 mol必要

→クエン酸は0.0521 mol あり十分、よって重曹が制限試薬

③CO₂発生モル数:

重曹1 mol → CO₂は1 mol発生(反応式より)

0.119 mol NaHCO₃ → CO₂ 0.119 mol

④CO₂の質量:0.119 × 44 ≈ 5.24 g

⑤CO₂の体積(標準状態、0℃・1気圧):0.119 × 22.4 ≈ 2.67 L

重曹10 gとクエン酸10 gの反応では、理論上約5.24 gのCO₂(標準状態で約2.67 L)が発生します。

例題2:モル比を合わせた場合の最大発生量

重曹と クエン酸を反応式のモル比(3:1)に合わせて用意する場合を考えます。

重曹84 g(= 1 mol)とクエン酸64 g(= 1/3 mol)を反応させる場合:

CO₂発生量 = 1 mol × 44 g/mol = 44 g(質量)

CO₂体積(標準状態)= 1 mol × 22.4 L/mol = 22.4 L

重曹84 g + クエン酸64 g = 合計148 gから44 gのCO₂発生

実際の発生量と理論値のずれ

実際の実験では、CO₂の一部が水に溶けたり、反応が完全に進まなかったりするため、発生量は理論値より少なくなることがあります。

水溶液の温度が高いほどCO₂の溶解度が下がり、気体として多く発生します。

反応効率や実験条件によって実際の収量は理論値の80〜95%程度になることが多いでしょう。

CO₂発生量の体積計算と温度・圧力補正

続いては、実験条件に応じたCO₂体積の計算方法を確認していきます。

理想気体の状態方程式による計算

実際の実験条件(室温・大気圧)でのCO₂体積は理想気体の状態方程式から求めます。

PV = nRT

P:圧力(一般に1気圧 = 101325 Pa)

V:体積 [m³]、n:モル数 [mol]

R:気体定数 = 8.314 J/(mol·K)

T:温度 [K](例:25℃ = 298 K)

n = 0.119 mol のCO₂が25℃・1気圧で占める体積を計算すると次のようになります。

V = nRT/P = 0.119 × 8.314 × 298 / 101325 ≈ 0.00291 m³ ≈ 2.91 L

(標準状態の2.67 Lより大きい値になります)

モル体積の温度依存性

気体1 molの体積(モル体積)は温度によって変化します。

標準状態(0℃・1気圧):22.4 L/mol

室温(25℃・1気圧):24.5 L/mol

室温での計算には22.4ではなく24.5 L/molを使う方が正確です。

入浴剤・料理への応用と実用的な目安

市販の炭酸入浴剤には一般に重曹とクエン酸が配合されており、お湯に溶かすと発生するCO₂が皮膚の血行促進に働くとされています。

お菓子・パンの膨らし粉(ベーキングパウダー)にも重曹が使われており、加熱によって CO₂が発生して生地を膨らませます。

重曹の量 発生CO₂(理論値・質量) 発生CO₂(体積・25℃・1気圧)
1 g 約0.52 g 約0.29 L
5 g 約2.62 g 約1.46 L
10 g 約5.24 g 約2.91 L
50 g 約26.2 g 約14.6 L

まとめ

本記事では、重曹とクエン酸の化学反応式・制限試薬の考え方・CO₂発生量の理論計算(モル計算)・体積の求め方を解説しました。

反応式 3 NaHCO₃ + C₆H₈O₇ → C₆H₅O₇Na₃ + 3 H₂O + 3 CO₂ から、重曹1 molあたりCO₂が1 mol(44 g・標準状態で22.4 L)発生することがわかります。

制限試薬を正しく判定し、モル計算の手順を丁寧に追うことで理論値を正確に求めることができるでしょう。

実験値と理論値の差(反応効率・CO₂の溶解など)についても意識しながら、定量的な化学計算の力を高めていきましょう。

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