機械的、構造的な科学のデータ処理を行う際には、関連する用語についてきちんと学んでおく必要があります。
例えば、材料力学の分野などでは「面積」「圧力」「荷重」などの概念を良く見かけますが、これらの定義や違いについてきちんと理解できていますか。
ここでは、面積・圧力・荷重の意味や変換の計算式について解説していきます。
目次
面積、圧力、荷重の定義と計算式
それでは、以下のような直方体の物体の面積、圧力、荷重について考えていきましょう。
ここで、面積とは面の大きさのことを意味し、辺の長さ×辺の長さで求めることができます。SI系の単位で考えると、辺の長さの単位は「m(メートル)」を使用するため、面積の単位は基本的には「m2(平方メートル)」を使用します。
他にも接頭語がついたm2だけではなく、cm2(平方センチメートル)、mm2(平方ミリなども使用することが多いです。
次に荷重と圧力について考えていきましょう。
荷重とは材料にかかる外力のことであり、単位N(ニュートン)を使用することが基本です。他にもkgf(キログラム重、キログラムフォース)を採用するケースもあります。
上のような直方体であればある面にかかる荷重は~Nというように使います。
そして、圧力はこれら荷重と面積の定義を用いて説明することができます。圧力の意味は単位面積あたりの荷重(外力)のことを意味します。
なお、圧力、面積、荷重の関係の計算式は以下の通りとなります。
そして、圧力の単位としてPa(パスカル)を使用することが一般的であり、上の換算式を見るとわかりますが、Pa=N/m2という単位換算もできるのです。
このように、面積、圧力、荷重には違いと関係があり、各々変換できるのです。
面積、圧力、荷重の換算の計算問題を解いてみよう
それでは、面積、圧力、荷重の換算に慣れるためにも、練習問題を解いていきましょう。
面積と荷重から圧力を求める
例題
ある直方体におけるある面の面積は5m2です。ここに荷重15Nをかけたとすると、この面積にかかる圧力Paを計算していきましょう。
解答
上の圧力、荷重、面積の定義に従い問題を解いていきましょう。
15 / 5 = 3Paと求めることができるのです。
圧力と面積から荷重を計算してみよう
同様に圧力と面積から荷重への換算を行っていきます。
例題
ある直方体において面積が0.2m2である特定の面にかかる圧力は5Paでした。このとき面にかかる荷重はいくつになるでしょうか。
解答
上の計算式に従って求めていきます。
0.2 × 5 = 1Nと荷重を求めることができます。
荷重と圧力から面積を計算しよう
さらに、荷重と圧力から面積を求めていきましょう。
例題
ある面に対して、圧力が12Paが均一にかかっており、面全体の荷重は3Paです。このときの面積はいくつになるでしょうか。
解答
荷重/面積=圧力のため、荷重を面積で割ると圧力を計算することができます。
よって3 / 12 = 0.25m2となります。
まとめ
ここでは、圧力、荷重、面積の意味や違い、その換算方法について解説しました。
ある面に注目した場合に、面の大きさを面積、面全体にかかる力を荷重、単位面積あたりにかかる荷重を圧力と呼びます。ここで、面積の単位にはm2(平方メートル)、荷重の単位にはN(ニュートン)、圧力の単位にはPa(パスカル)を使用することが基本です。
さらに、圧力=荷重/面積で変換することができ、その単位の計算式ではPa=N/m2が成立します。
材料力学だけでなくさまざまな場面でこれら、圧力、荷重、面積の概念や違いを求められることがあるため、きちんと理解しておきましょう。