寒い地域における冬の季節では、雨や雪をよく目にすることがあるでしょう。
これら、雨や雪ですが「雨の速度の方が速く、雪の方がゆっくりと落ちる」と感じたことはないでしょうか。
同じ水が主成分としてできているのに、なぜ落下速度に違いが出てくるのでしょうか。
ここでは、雨と雪の落下速度について物質の表面積と空気抵抗の観点から解説していきます。
目次
雨と雪の落下速度【雪はゆっくりで、雨は速い】
雨の方が勢いがあり雪の方がゆっくりと勢いがないのには、物体の形状・物性が大きく関係しています。
実は、雪よりも雨の方が密度が大きく、同じ体積での質量(重さ)は雨の方が大きくなります。
そのため、一粒当たりの質量は雪よりも雨の方が大きくなります。
なお、自由落下の速度は物質の質量に依存し、質量が大きくなるほど落下速度も増していくのです。
ただ落下速度が増すほど、物質への空気抵抗が大きくなるという性質があります。しかし、この空気抵抗は物質の速度だけでなく、表面積やその形状によっても大きさが変化します。
ここで、雪の方が綿のように多孔度が高い(物質間にたくさん小さな穴がある)ため、その表面積が大きく、空気抵抗を受けやすい形状となっているのです。
よって、雨の方が一粒当たりの質量が大きく、かつ空気抵抗を受けにくい物性(表面積が小さい)ためにその落下速度が雪よりも速くなるといえるわけです。
このように、身近な現象であっても科学的に説明することができます。
なお、雨と雪の落下速度の関係だけでなく、綿や花弁の落下速度も遅く、鉄球や石などの落下速度が速くなるのも同じ原理で解説することができます。
まとめ
ここでは、雨と雪の落下速度の違いについて解説しました。
雨の落下速度が速く、雪がゆっくり振るのは、「1粒あたりの質量が雨の方が大きく、表面積が雪の方が大きく空気抵抗が大きい」ために起こります。
これは、雨と雪の関係だけではなく、金属の玉と綿のような組み合わせであっても同じメカニズムで発生します。
身近な科学現象を理解して、毎日の生活をより楽しんでいきましょう。