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光電効果の公式は?アインシュタインの式を解説!(hν=W+Ek・プランク定数・振動数・運動エネルギーなど)

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光電効果の理論を学ぶ上で、最も重要な式が「hν=W+Ek」というアインシュタインの光電効果の式です。

この式はシンプルに見えますが、物理学の革命的なアイデアを凝縮した深い意味を持っています。

プランク定数hとは何か、振動数νはどう決まるのか、仕事関数Wと運動エネルギーEkはどのように関係するのか——これらを正しく理解することが、光電効果の公式をマスターする鍵です。

本記事では、hν=W+Ekの各項の物理的意味から、具体的な計算例、グラフの読み方まで、ていねいに解説していきます。

高校物理・大学入試・物理検定などを学ぶ方にとって、必ず押さえておきたい内容です。

目次

光電効果の公式hν=W+Ekの意味:結論は「光子のエネルギーが仕事関数と運動エネルギーに分配される」

それではまず、アインシュタインの光電効果の式hν=W+Ekの意味について、結論から解説していきます。

hν = W + Ek

h:プランク定数(6.626×10⁻³⁴ J·s)

ν(ニュー):光の振動数(Hz)

W:仕事関数(金属から電子を取り出すのに必要な最小エネルギー)

Ek:放出された光電子の最大運動エネルギー

この式は「エネルギー保存則」の表れです。光子が持っていたエネルギーhνが、電子を束縛から解放する仕事W と、飛び出した電子の運動エネルギーEkに分かれます。

式を変形すると、Ek=hν−Wとなります。

振動数νが大きいほど光子のエネルギーhνが大きく、仕事関数Wを差し引いた余りの分が電子の運動エネルギーになります。

振動数がちょうど限界振動数ν₀(hν₀=W)の光を当てると、電子は辛うじて飛び出しますが、運動エネルギーはゼロになります。

振動数がν₀未満では、hν<Wとなるため、電子は飛び出すことができません。

プランク定数hの詳しい理解

プランク定数hは量子力学のすべての基礎となる自然定数です。

その値はh=6.62607015×10⁻³⁴ J·s(正確な値)で、2019年のSI単位系の再定義により、この値が正確な定義値として採用されました。

プランク定数は「作用量子」とも呼ばれ、自然界において最小の作用(エネルギー×時間)の単位を表します。

日常生活でのエネルギースケール(ジュール単位)と比べると、hはきわめて小さな値です。

このため、日常的なスケールではエネルギーが量子化(不連続になること)している影響はほぼ見えませんが、原子・電子のスケールでは量子効果が支配的になります。

光電効果の実験でhの値を正確に測定することができ、これが量子力学の重要な実験的根拠の一つとなっています。

振動数νと波長λの関係

光の振動数νと波長λは、光速cを介して次の関係にあります。

c = λ × ν

ν = c / λ

c:光速(2.998×10⁸ m/s ≒ 3×10⁸ m/s)

λ:波長(m)

ν:振動数(Hz)

例:波長400nm(紫色の光)の振動数

ν=3×10⁸ / 400×10⁻⁹ = 7.5×10¹⁴ Hz

波長が短いほど振動数が高く、光子1個のエネルギーhνが大きくなります。

紫外線・X線・ガンマ線は可視光より波長が短いため、光子のエネルギーが非常に大きく、光電効果を起こしやすくなります。

eV(電子ボルト)という単位を使うと、可視光の光子エネルギーは約1.8〜3.1eVの範囲にあります。

アインシュタインの式を使った計算例

続いては、アインシュタインの式hν=W+Ekを実際の計算問題に適用する方法を確認していきます。

公式の意味を理解したら、次は数値を代入して計算できるようになることが重要です。

基本的な計算例題

【例題1】波長200nmの紫外線を仕事関数W=4.0eVの金属に照射した。放出される光電子の最大運動エネルギーを求めよ。

h=6.63×10⁻³⁴ J·s、c=3.0×10⁸ m/s、1eV=1.6×10⁻¹⁹ Jとする。

解答:

ν=c/λ=3.0×10⁸/200×10⁻⁹=1.5×10¹⁵ Hz

hν=6.63×10⁻³⁴×1.5×10¹⁵=9.945×10⁻¹⁹ J≒6.22 eV

Ek=hν−W=6.22−4.0=2.22 eV

【例題2】ある金属に波長300nmの光を当てたとき、光電子の最大運動エネルギーが1.5eVであった。この金属の仕事関数Wを求めよ。

解答:

ν=c/λ=3.0×10⁸/300×10⁻⁹=1.0×10¹⁵ Hz

hν=6.63×10⁻³⁴×1.0×10¹⁵≒4.14 eV

W=hν−Ek=4.14−1.5=2.64 eV

このように、hν=W+Ekの式はエネルギー保存の考え方に基づいており、3つの量のうち2つがわかれば残りの1つを求めることができます。

阻止電圧と運動エネルギーの関係

光電効果の実験では、「阻止電圧」という概念も重要です。

光電子が放出された後、逆向きの電圧(阻止電圧V₀)をかけると、光電子の運動エネルギーが電気的なポテンシャルエネルギーに変換され、最終的に電流がゼロになります。

このとき、エネルギー保存則より次の関係が成立します。

eV₀ = Ek(最大運動エネルギー)

e:電子の電荷(1.6×10⁻¹⁹ C)

V₀:阻止電圧(V)

よって:hν = W + eV₀

例:阻止電圧V₀=2.0Vのとき

Ek=eV₀=1.6×10⁻¹⁹×2.0=3.2×10⁻¹⁹ J=2.0 eV

阻止電圧を測定することで光電子の最大運動エネルギーを正確に求めることができます。

これは光電効果の実験においてhやWを精密に測定するための重要な手法です。

各金属の仕事関数と限界振動数の比較

仕事関数は金属の種類によって異なります。

仕事関数が小さいほど電子が飛び出しやすく、アルカリ金属(ナトリウム・カリウムなど)は可視光でも光電効果を起こすことができます。

金属 仕事関数(eV) 限界波長(nm) 光電効果を起こす光
セシウム(Cs) 1.95 636 可視光(赤色まで)
ナトリウム(Na) 2.36 526 可視光(緑〜青)
亜鉛(Zn) 4.33 286 紫外線
金(Au) 5.10 243 紫外線(短波長)
白金(Pt) 5.65 220 紫外線(短波長)

この表からもわかるように、仕事関数の大きな金属(金・白金など)は、紫外線のような高エネルギーの光でないと光電効果が起きません。

hν=W+Ekの式から読み取れる物理的な意味の深掘り

続いては、hν=W+Ekの式に含まれる物理的な意味をより深く掘り下げて確認していきます。

この式はただの計算式ではなく、自然界の根本的な法則を表現しています。

エネルギー保存則との対応

hν=W+Ekはエネルギー保存則の一表現です。

左辺hνが「入力エネルギー(光子のエネルギー)」で、右辺のWが「束縛エネルギーの解放に使われたエネルギー」、Ekが「残った運動エネルギー」です。

物理学においてエネルギー保存則は最も基本的な法則の一つであり、光電効果の式はこの普遍的な法則を量子スケールで適用したものと言えます。

光の強度と光電流の関係

アインシュタインの式では光の強度(明るさ)が登場しないことに注意が必要です。

光の強度は「単位時間あたりに到達する光子の数」を表します。

光子の数が多いほど、飛び出す電子の数も多くなります。

これが「光が強いほど光電流が大きくなる」理由です。

しかし、電子1個の運動エネルギーは光子1個のエネルギーhνで決まり、光の強度には依存しません。

これが古典理論と量子論の最も根本的な違いであり、光電効果の実験が量子論の正しさを強く支持する根拠となっています。

式の変形と応用:プランク定数の測定

hν=W+Ekをエネルギーの式として整理すると、hν=eV₀+Wとなります。

これをV₀について解くと、V₀=(h/e)ν−W/eとなり、阻止電圧V₀と振動数νが一次関数の関係にあることがわかります。

グラフの傾きはh/eであり、縦軸切片は−W/eとなります。

実験で複数の振動数に対する阻止電圧を測定してグラフを描けば、傾きh/eからプランク定数hを実験的に求めることができます。

このようなグラフ分析は高校物理・大学物理の実験でも行われており、量子力学の根本的な定数を自分の手で測定できる貴重な機会となっています。

まとめ

本記事では、光電効果のアインシュタインの式hν=W+Ekについて、各項の物理的意味・計算方法・応用まで詳しく解説しました。

この式の意味は「光子のエネルギーhνが、仕事関数W(電子の束縛を解く仕事)と光電子の最大運動エネルギーEkに配分される」というエネルギー保存則の表れです。

光電効果が起きるかどうかは、光の振動数ν(振動数が限界振動数ν₀以上かどうか)によって決まり、光の強度には依存しません。

阻止電圧eV₀=Ekの関係を利用すると、実験からプランク定数hや仕事関数Wを精密に測定できます。

アインシュタインの光電効果の式は、量子力学の誕生を告げる歴史的な方程式であると同時に、現代の光センサーや太陽電池の技術基盤となっています。

ぜひ式の各項の意味を深く理解し、計算問題でも自信を持って活用できるようにしてください。

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