貴金属投資や記念コイン収集の世界では、「1/15オンス」という重量単位に出会うことがあります。特に金貨や銀貨の分野では、この分数表記のオンスがよく使われていますが、日本人にとってはグラム換算がわかりにくいものです。
1/15オンスの金貨や銀貨を購入しようとしたとき、実際にどれくらいの重さなのか、サイズ感はどうなのか、そして価格相場はいくらなのか。これらの情報を正確に理解することは、投資判断や収集活動において非常に重要でしょう。
また、オンスにはアメリカ式とイギリス式の違いがあり、さらに貴金属専用の「トロイオンス」という単位も存在します。これらの違いを知らないまま取引をすると、思わぬ誤解を招く可能性もあるのです。
本記事では、1/15オンスが何グラムに相当するかという基本から、金貨や銀貨のサイズ、値段の相場、そしてアメリカとイギリスのオンスの違いまで、詳しく解説していきます。変換・換算方法のコツも紹介しますので、貴金属取引の際にぜひお役立てください。
目次
1/15オンスは約2.08グラム(トロイオンス基準)
それではまず、1/15オンスが何グラムに相当するかについて解説していきます。
結論から申し上げますと、貴金属取引で使われる1/15トロイオンスは約2.08グラムです。これは、金貨や銀貨などの貴金属製品の重量を示す際に最も一般的に使用される数値になります。

トロイオンス(troy ounce)は、貴金属専用の重量単位として世界中で標準化されており、1トロイオンスは正確に31.1034768グラムと定義されているのです。この数値を15で割ると、1/15トロイオンスは約2.0736グラムとなります。
【計算例】
1トロイオンス = 31.1034768g
1/15トロイオンス = 31.1034768g ÷ 15 = 2.0735651…g
≒ 2.08g(小数第二位で四捨五入)
通常の取引や表記では、約2.08グラムとして扱われることが多いでしょう。ただし、正確な純金量や純銀量を計算する際には、2.0736グラムという数値を使用することもあります。
この重量は、一般的な感覚で言えばかなり軽いものです。例えば、1円玉が1グラムですから、1/15オンスは1円玉約2枚分の重さということになります。小さな金貨や銀貨でも、しっかりとした貴金属の重みを感じられる程度の重量と言えるでしょう。
貴金属取引では必ず「トロイオンス」が使われます。通常のオンス(常用オンス)とは異なる単位なので、混同しないよう注意が必要です。
金貨や銀貨のカタログやオンラインショップで「1/15oz」と表記されている場合、これはトロイオンスを指していると考えて間違いありません。したがって、約2.08グラムの貴金属が含まれていると理解できるのです。
アメリカとイギリスのオンスの違いと貴金属のトロイオンス
続いては、アメリカとイギリスのオンスの違い、そして貴金属で使用されるトロイオンスについて確認していきます。
常用オンス(Avoirdupois Ounce)とは
アメリカとイギリスで一般的に使われている重量単位が「常用オンス」(Avoirdupois Ounce)です。この単位は、1オンス=約28.35グラムと定義されています。
日常生活や食品の計量、郵便物の重量測定などに使われるのがこの常用オンスです。アメリカでは現在でも広く使用されており、スーパーマーケットで販売されている商品の重量表示などで目にすることがあるでしょう。
イギリスでも歴史的に使用されてきましたが、現在はメートル法への移行が進んでおり、公式な場面ではグラムやキログラムが使われることが多くなっています。ただし、一部の伝統的な分野では今でも常用オンスが使われているのです。
トロイオンス(Troy Ounce)の特徴
一方、貴金属の取引で使われるのが「トロイオンス」(Troy Ounce)です。この単位は、1トロイオンス=31.1034768グラムと、常用オンスよりも約10%重くなっています。
トロイオンスの起源は中世ヨーロッパのトロワ市(フランス)にあると言われており、貴金属や宝石の取引専用の単位として発展してきました。現在でも、金、銀、プラチナなどの貴金属市場では、世界共通でトロイオンスが使用されているのです。
| オンスの種類 | グラム換算 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 常用オンス | 約28.35g | 一般的な重量測定、食品、郵便物など |
| トロイオンス | 31.1034768g | 金、銀、プラチナなどの貴金属取引 |
金貨や銀貨を購入する際には、必ずトロイオンス基準で重量が表示されています。したがって、1/15オンスと表記されている場合も、トロイオンスの1/15であると理解しなければなりません。
なぜ貴金属ではトロイオンスが使われるのか
貴金属取引でトロイオンスが使われる理由は、歴史的な経緯と国際標準化にあります。中世から近代にかけて、ヨーロッパの貴金属取引ではトロイオンスが標準となっており、この慣習が世界中に広がっていったのです。
現在では、ロンドン貴金属市場協会(LBMA)やニューヨーク商品取引所(COMEX)など、世界の主要な貴金属市場すべてでトロイオンスが採用されています。これにより、国際的な取引の混乱を避け、透明性の高い市場が維持されているのです。
投資家や収集家が金貨や銀貨を購入する際には、この国際標準に従った表記がなされているため、世界中どこでも同じ基準で重量を理解できるというメリットがあります。
1/15オンス金貨・銀貨のサイズと値段の相場
続いては、1/15オンスの金貨や銀貨の実際のサイズと、値段の相場について確認していきます。
1/15オンス金貨のサイズと特徴
1/15オンスの金貨は、直径約13~14mm、厚さ約0.8~1.0mm程度のコンパクトなサイズです。重量は約2.08グラムですから、非常に小さく軽い印象を受けるでしょう。
このサイズの金貨は、主に以下のような特徴があります。
まず、持ち運びやすさが挙げられます。小型で軽量なため、保管スペースを取らず、複数枚を所有しても場所に困りません。また、少額から金投資を始めたい方にとって、手頃な価格帯で購入できる点も魅力です。
代表的な1/15オンス金貨としては、オーストラリアのカンガルー金貨やウィーン金貨ハーモニーなどがあり、これらは世界的に流通している投資用金貨として知られています。デザインも美しく、コレクターズアイテムとしても人気があるのです。
1/15オンス金貨の値段相場
1/15オンス金貨の値段は、金の地金価格(スポット価格)に連動して変動します。2026年2月現在の金価格を基準に考えると、以下のような相場感になるでしょう。
【概算例】
金地金価格が1グラムあたり13,000円の場合
2.08g × 13,000円 = 27,040円(純金価値)
プレミアム(製造コスト・流通マージン等)を加えると
販売価格:約30,000~35,000円程度
実際の販売価格には、製造コストや販売業者のマージン、プレミアム(希少性や人気による上乗せ)が加わります。一般的に、小型の金貨ほどグラムあたりの単価は高くなる傾向にあるのです。
これは、製造コストが重量に比例しないためです。1オンス金貨でも1/15オンス金貨でも、製造に必要な工程や技術はほぼ同じため、小型のものほど相対的にプレミアムが高くなります。
1/15オンス銀貨について
銀貨の場合、1/15オンスという規格は金貨ほど一般的ではありません。銀は金に比べて価格が安いため、より大きな重量単位(1オンス、10オンスなど)で取引されることが多いのです。
ただし、一部の記念コインや特別なシリーズでは1/15オンスの銀貨も存在します。その場合、銀の地金価格に基づいて計算すると、以下のような価格帯になるでしょう。
| 項目 | 金貨(1/15oz) | 銀貨(1/15oz) |
|---|---|---|
| 重量 | 約2.08g | 約2.08g |
| 直径の目安 | 13~14mm | 16~18mm(金より密度が低いため大きめ) |
| 価格相場(概算) | 30,000~35,000円 | 500~1,500円 |
銀貨は金貨に比べて安価ですが、デザインや記念性、限定性などによってプレミアムが大きく変動することがあります。特に、人気のあるシリーズや発行枚数の少ないものは、地金価格を大きく上回る価格で取引されることもあるのです。
オンスからグラムへの変換・換算方法とコツ
続いては、オンスからグラムへの変換・換算方法と、実用的なコツについて確認していきます。
基本的な換算式と計算方法
貴金属のオンスをグラムに換算する際の基本式は非常にシンプルです。トロイオンスの定義値を使って、以下のように計算できます。
【基本換算式】
グラム数 = トロイオンス数 × 31.1034768
例:1/15オンスの場合
グラム数 = (1÷15) × 31.1034768 = 2.0736g
この計算式を覚えておけば、どんな分数オンスでもグラムに換算できます。1/10オンス、1/20オンス、1/4オンスなど、様々な規格の金貨や銀貨の重量を正確に把握できるでしょう。
実際の計算では、電卓やスマートフォンの計算機アプリを使えば簡単です。31.1034768という数値を覚えておき、これにオンス数を掛けるだけで即座にグラム換算ができます。
よく使われる分数オンスのグラム換算一覧
貴金属投資でよく見かける分数オンスを、あらかじめグラムに換算しておくと便利です。以下の一覧を参考にしてください。
| オンス表記 | グラム換算 | 主な用途・備考 |
|---|---|---|
| 1オンス | 31.10g | 最も一般的な規格 |
| 1/2オンス | 15.55g | 中型の投資用金貨 |
| 1/4オンス | 7.78g | 人気のある小型金貨 |
| 1/10オンス | 3.11g | 少額投資向け |
| 1/15オンス | 2.07g | 小型記念金貨などで使用 |
| 1/20オンス | 1.56g | 最小クラスの金貨 |
この表を参考にすれば、金貨や銀貨のカタログを見たときに、すぐに重量のイメージが掴めるでしょう。投資判断やコレクション選びの際に役立ちます。
換算時の実用的なコツと注意点
オンスとグラムの換算を行う際には、いくつかの実用的なコツと注意点があります。
まず、暗算で概算したい場合は、「1トロイオンス≒31グラム」と覚えておくと便利です。厳密には31.1グラムですが、日常的な概算にはこれで十分でしょう。1/15オンスなら「31÷15≒2グラム」とすぐに計算できます。
次に、常用オンスとトロイオンスを混同しないことが重要です。貴金属以外の分野では常用オンス(28.35g)が使われることもあるため、文脈をよく確認しましょう。金貨や銀貨の場合は必ずトロイオンスです。
オンライン取引やオークションで海外の出品者から購入する際は、重量単位の記載を必ず確認してください。「oz」だけでなく「troy oz」や「t oz」と明記されていれば安心です。
また、純度にも注意が必要です。金貨の場合、24金(純金)もあれば、22金や21.6金などの合金もあります。「1/15オンス金貨」と表記されている場合、これは総重量なのか純金量なのかを確認しましょう。投資用金貨の多くは総重量で表記されますが、純金量を別途記載している場合もあるのです。
まとめ
1/15オンスの重さは、貴金属取引で使用されるトロイオンス基準で約2.08グラムに相当します。これは1円玉約2枚分の重さで、金貨や銀貨としてはかなり小型の部類に入るでしょう。
オンスには常用オンス(約28.35g)とトロイオンス(31.1034768g)の2種類があり、金や銀などの貴金属取引では必ずトロイオンスが使われます。アメリカでもイギリスでも、貴金属市場ではこの国際標準に従っているため、世界中どこでも同じ基準で重量を理解できるのです。
1/15オンス金貨のサイズは直径約13~14mm程度で、値段の相場は金地金価格に製造コストやプレミアムを加えた30,000~35,000円程度となります。小型の金貨ほどグラムあたりの単価は高くなる傾向があるため、投資効率を重視するなら大型の金貨を、少額から始めたいなら小型の金貨を選ぶとよいでしょう。
オンスからグラムへの換算は、「オンス数×31.1034768」という簡単な計算式で求められます。よく使われる分数オンスの換算値を覚えておくと、金貨や銀貨を選ぶ際の判断がスムーズになるはずです。
貴金属投資や記念コイン収集を始める際には、重量単位の正確な理解が欠かせません。本記事で解説した知識を活用して、安心して金貨や銀貨の取引を楽しんでください。